一日一曲(1499)トーヴィ、ドナルド・フランシス:無伴奏チェロソナタニ長調

 本日は、生誕150年(1875年7月17日生)を迎えらえたイギリスの作曲家、ドナルド・フランシス・トーヴィさんの曲をご紹介します。

 トーヴィさんはイギリス南部の街イートンで生まれました。少年時代からピアノと作曲を学びました。作曲活動を行うかたわら、ブリタニカ百科事典』1911年度版の音楽記事の執筆に尽力し、18世紀から19世紀の音楽に関する大部分を書き上げられました。1914年にエディンバラ大学で教鞭を執るようになり、そこでリード管弦楽団を設立しています。1935年にナイトを受勲しています。同年、名チェリストであるパブロ・カザルスのためのチェロ協奏曲を作曲されています。1940年7月に65歳の誕生日を目前にしてエディンバラで亡くなられました。

 本日の曲は無伴奏チェロソナタニ長調です。1913年、作曲者38歳の時の作品です。トーヴィさんは1931年にバッハの《フーガの技法》の未完の部分を補筆するなど、バッハには詳しかった方でしたので、本曲はバッハの無伴奏チェロ組曲から影響を受けている部分もあるかもしれません。演奏時間30分を超える大作です。3楽章形式で、終楽章が曲の約半分を占めています。この終楽章のパッサカリアが圧巻です。主題の後に30を超える変奏が続きます。本楽章はバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番の終楽章「シャコンヌ」を意識して作られているのでしょう。現代に蘇ったバッハと言っても過言ではないかもしれません。本曲、じっくりと時間をかけて味わっていきたいものです。

ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
トーヴィ、ドナルド・フランシス:無伴奏チェロソナタニ長調

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