一日一曲(1526)ショスタコーヴィチ、ドミートリー:ヴィオラソナタ

 本日は、没後50年(1975年8月9日没)を迎えらえたロシアの作曲家、ドミートリー・ショスタコーヴィチさん特集の5回目、最終回です。

 1960年代頃よりショスターヴィチさんは健康を害するようになりました。特に右手に麻痺の症状が現れ、だんだんと深刻になっていきました。この頃、かつての前衛的な手法へと回帰した作風へと変化し、12音技法やトーン・クラスターなどをショスタコーヴィチさんなりに解釈し、取り入れた作品(『ブロークの詩による7つの歌曲』など)を発表しています。最晩年には、自身の音楽的回想とした交響曲第15番(1972年)、すべての楽章をアダージョとし、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番『月光』からの引用もみられる弦楽四重奏曲第15番(1974年)、死の1か月前に完成し、ショスタコーヴィチの「白鳥の歌」とも呼ばれる、作曲者自身聴くことの出来なかった遺作ヴィオラソナタ(1975年)などを発表されました。1975年8月9日、ショスタコーヴィチさんは肺がんのため68歳で亡くなられました。

 本日の曲はショスターヴィチさんの最後の作品となった「ヴィオラソナタ」です。作品番号は147、作曲者の詩の4日前に最終校訂を完了となりましたが、作曲者は生前に本曲を聴くことはありませんでした。第3楽章ではベートーヴェンの有名なピアノソナタ「月光」の第1楽章からの引用があるほか、ショスターヴィチさんが生前に書いた交響曲15曲全曲からの引用も含まれています。
 第1楽章の出だしはヴィオラの静かなピチカートでの始まり、曲の最後はヴィオラがピアニシモでEの音を約11小節、時間にして1分ほど長く伸ばすなか、ピアノが静かに分散和音を奏でて消え入るように終わります。北国の冷たい冬の夜の墓場のような、凍てつく寒さが身に沁みるような、そんな雰囲気を持つ曲です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ショスタコーヴィチ、ドミートリー:ヴィオラソナタ

ショスタコーヴィチ、ドミートリー:ヴィオラソナタ(CD)

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