一日一曲(1542)デ・ロレンツォ、レオナルド:神話組曲
本日は、生誕150年(1875年8月29日生)を迎えらえたイタリアの作曲家兼フルーティスト、レオナルド・デ・ロレンツォさんの曲をご紹介します。
デ・ロレンツォさんはイタリア南部の街ヴィッジャーノで生まれました。8歳の頃からフルートを吹き始め、ナポリへ赴いてナポリ音楽院へ入学しフルートを勉強しました。1891年、16歳の時にアメリカへ移住し、ケンタッキー州ののホテルで働きながら音楽の勉強をつづけました。しかし1896年には兵役に従事するためにイタリアへ帰国、アレッサンドリアで軍楽隊に入隊しました。この軍楽隊での活動の他、イタリア、ドイツ、南アフリカに演奏旅行をして自らのキャリアを開始しました。1900年、25歳のときにケープタウンのオーケストラに入団、活躍の幅を広げらえました。1907年にはいったんナポリに戻ったのち、再びアメリカへと渡り、グスタフ・マーラーが常任指揮者を務めるニューヨーク・フィルハーモニック管弦楽団のフルート奏者に就任しました。教育方面では、1923年から1935年までイーストマン音楽学校でフルートの教授を務められました。退官後は作曲と理論書の執筆に集中しました。1953年、ローマのワシントン国際アカデミーから名誉博士号を授与され、ミラノに新設されたフルートクラブの名付け親となりました。1962年7月、カリフォルニア州サンタバーバラの自宅で86歳で亡くなられました。息を引き取った。デ・ロレンツォに捧げられた「レオナルド・デ・ロレンツォ」国際フルート大会は、2年毎にデ・ロレンツォさんの生まれ故郷であるヴィッジャーノで開催されています。
本日の曲はフルート独奏曲「神話組曲」です。「パン」「マルシュアス」「アポロン」の3曲から構成されており、演奏時間は全体で10分程です。3曲とも、フルートのような管楽器にちなんだ神々や精霊にちなんでいます。「パン」が葦で作ったのがシリンクス(あるいはパンフルートともいう)ですし、「マルシュアス」はアウロス(古代ギリシアの二本管、主にダブルリードの木管楽器)の発明者、それにマルシュアスとアポロンは音楽で果し合いをしています。第2曲は、勝負に敗れて生きたまま皮を剥がされて殺された不運なマルシュアスが抱える苦痛と苦悩を描いている、とのことです。対照的に、第3曲はマルシュアスに対するアポロンの勝利と、アポロンの聖なる女神官への崇拝を描いている、とのことです。
この録音は、ちょっと特徴的だったようです。無数の廊下や隅からの反響が重なり、まるで歌っているかのようなハミング効果を生み出ています。この反響は「シャッターエコー」というそうです。音が2つの反対側の面の間で際限なく反射することで発生するそうです。珍しくも美しい響きをご堪能ください。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デ・ロレンツォ、レオナルド:神話組曲