一日一曲(1560)ファル、レオ:喜歌劇「ドルの女王」

 本日は、没後100年(1925年9月16日没)を迎えらえたオーストリアの作曲家、レオ・ファルさんの曲をご紹介します。

ファルさんは1873年2月にオーストリア=ハンガリー帝国(現オーストリア)の首都ウィーンで生まれました。音楽家の家庭に育ち、ウィーン音楽院で学びました。初期にはカフェオーケストラのピアニストやキャバレーの伴奏者として活動し、演奏家としての経験を積みました。その後、ハンブルクやケルンでオペレッタの指揮者として活躍し、ウィーンに戻ってからはレビューやキャバレーの作曲・指揮を手掛けました。1906年に指揮者業を辞め、ウィーンに移住してオペレッタ作曲に専念することを決意しました。この決断はすぐに実を結び、1907年と1908年には『Der fidele Bauer(陽気な農夫)』『Die Dollarprinzessin(ドル札の姫君)』『Die geschiedene Frau(離婚した女)』の3作品が大ヒットし、名声を確立しました。ブラームス、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスなどの作曲家に影響を受け、その音楽に彼らの影響が色濃く反映されています。特に『Die Rose von Stambul(スタンブールの薔薇)』などの作品では、ファルさんの音楽的な幅広さと深さが感じられます。1925年9月にウィーンで亡くなられました。ウィンナ・オペレッタの発展に大きく貢献し、その作品は今なお愛されています。

 本日の曲は喜歌劇「ドルの女王」です。1907年11月2日にウィーンのテアター・アン・デア・ウィーンで初演され、ファルさんの代表作の一つとして高く評価されています。この作品は、アメリカの大富豪の娘アリスと、彼女に恋する青年フレディ・ヴェアブルクとのロマンチックな物語を描いています。

<あらすじ>
 アリスは、アメリカの石炭王ジョン・クーダーの娘で、家族と共にウィーンを訪れています。彼女は、家族の期待に応えようとする一方で、自由な恋愛を夢見ています。フレディは、アリスに一目惚れし、彼女を口説こうとしますが、彼女は冷たくあしらいます。しかし、フレディは諦めず、アリスの心をつかもうと奮闘します。最終的に、二人は愛を育み、結ばれることになります。

 軽やかなワルツや、心温まるメロディが特徴で、特にフレディのアリア「Will meine Schülerin geruh’n(私の生徒を休ませたい)」などは、感情の変化を巧みに表現しています。
 この作品は、ウィーンだけでなく、ロンドンやニューヨークでも上演され、特にロンドンでは1909年に『The Dollar Princess』として英語版が上演され、428回の公演を記録するなど、大成功を収めました。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ファル、レオ:喜歌劇「ドルの女王」

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