一日一曲(1561)チャイコフスキー、ボリス:ヴァイオリンソナタ

 本日は、生誕100年(1925年9月10日生)を迎えらえたロシアの作曲家、ボリス・チャイコフスキーさんの曲をご紹介します。

 ボリス・チャイコフスキーさんはロシアの首都モスクワで生まれました。「チャイコフスキー」といいますと、大作曲家「ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー」と関係があるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、縁戚関係はありません。1941年(一説に1943年とも)、モスクワ音楽院に入学し、ピアノと作曲を学びました。1949年に同音楽院を卒業し、ラジオ局で勤務しました。1952年、ラジオ局を退社し、本格的作曲生活に入りました。1969年には、交響曲第二番でソビエト国家賞受賞しています。1989年、グネーシン音楽アカデミーの教授(作曲)となり後進の指導に当たられました。生涯に交響曲を四曲、弦楽四重奏曲を六曲作った他、多数の器楽、声楽曲を作曲しました。最も多いのは映画やラジオドラマの伴奏曲で、その数は三十を越えています。中でも、1974年公開の日本・ソビエト合作映画で栗原小巻主演の『モスクワわが愛』は日本に縁の深い作品として有名です。1996年に、70歳で死去されました。

 本日の曲は「ヴァイオリンソナタ」です1959年、作曲者34歳の時の作品です。2楽章形式ですが、切れ目なく演奏されます。
 第1楽章の出だしの主題が絶品です。星の数ほどあるヴァイオリンソナタの中でも、群を抜く美しさです。穏やかで気品あふれる佇まい!やがて幸福な時間は過ぎ去り、ロシアの秋から冬を思わせるような展開になっていきます。つかの間の小春日和の温かさ、と言ったところでしょうか。演奏される機会が少ない曲ですが、ちょっと勿体ない感じがします。

 本日の演奏のピアノ伴奏は作曲者自身です。1962年、作曲者37歳の時の演奏です。ヴァイオリンは初演者です。ちなみに、初演は作曲者の伴奏で行われています。本録音は、初演の再現といった形になっています。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
チャイコフスキー、ボリス:ヴァイオリンソナタ

チャイコフスキー、ボリス:ヴァイオリンソナタ(MP3ダウンロード)

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です