一日一曲(1566)チュルリョーニス、ミカロユス・コンスタンティナス:前奏曲「思い出」
本日は、生誕150年(1875年9月22日生)を迎えらえたリトアニアの作曲家、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニスさんの曲をご紹介します。
チュルリョーニスさんはロシア帝国(現リトアニア南部)ヴァレナ近郊のセノイ・ヴァレナで、貧しい教会オルガニストの家庭に9人兄弟の長男として生まれました。1878年に家族に連れられ、沿岸部の保養地ドルスキニンカイに移転し、9歳でミハウ・クレオファス・オギンスキ音楽学校入学、音楽を学びました。1894年からワルシャワ音楽院に入学してピアノと作曲の研鑽を重ねました。1899年に優等で卒業されています。1902年末から1906年までワルシャワ美術学校でも学び、画家としても活躍されました。1907年には第1回リトアニア美術展覧会を開催するかたわら、リトアニア民謡の発掘・編曲にも尽力、さらにリトアニア芸術同盟やリトアニア合唱協会などの芸術団体を発足させるなど幅広く活動されました。1908年秋にサンクトペテルブルクに移住しましたが、経済的に失敗し、1909年1月に作家のソフィヤ・キマンタイテ=チュルリョニエネ (Sofija Kymantaitė-Čiurlionienė) と結婚してまもなく精神異常をきたし、ワルシャワ郊外プステルニクの療養所に収容されました。闘病生活の中でも作曲と描画を続けていたが、風邪をこじらせ肺炎を併発し、わが子が生まれたことを知らぬまま1911年4月に35歳の若さで他界されました。短い生涯の間に、約300点の絵画と約200点の楽曲を遺されました。
本日の曲はピアノ曲「前奏曲「思い出」」です。作品番号が299なので、後期の作品ではないかと推測しています。物悲しい曲です。「思い出」というタイトルですが、曲想のようなことがまず思い出として浮かび上がってくるような意識だったのでしょう。喜びよりも哀しみや苦しみの方にフォーカスしがちな生活だったのかもしれません。繊細な方だったのかな、と感じましたが、それは本曲を聴けばわかるのではないでしょうか。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
チュルリョーニス、ミカロユス・コンスタンティナス:前奏曲「思い出」