一日一曲(1577)ブーセ、ジャン=バティスト・ド:春
本日は、生誕100年(1925年9月19日生)を迎えらえたフランスの作曲家、ジャン=バティスト・ド・ブーセさんの曲をご紹介します。
ブーセさんは1662年にフランスの首都パリで生まれました。若くして音楽的才能を示し、パリのサロンや貴族社会で高い評価を受けました。1693年には「音楽アカデミー(Académie de Musique)」の作曲家に任命され、その後は王室礼拝堂の職務にも携わりました。ブーセさんの作品はフランス語カンタータの初期展開に重要な役割を果たし、同時代のクープランやカンプラと並び称されています。生涯を通じて宗教音楽と世俗音楽の双方に取り組みましたが、とりわけ世俗歌曲に独自の詩情を示しました。1725年に没し、その作品は今日でもバロック声楽の魅力を伝えています。
本日の曲はヴァイオリンの小品、「春」です。今回はヴァイオリンとテオルボ(バロック時代の撥弦楽器。ギターに似ています)の演奏ですが、テオルボではなくチェンバロなどでも演奏されそうですし、ヴァイオリンでない楽器でも独奏を受け持ちそうですので、本曲はヴァイオリン曲ではなく「室内楽曲」と言った方が良いかもしれません。作曲当時の曲のつくりやメロディ、和声や伴奏の付け方など、典型的な曲と言えるでしょう。繊細な響きに日々の疲れが癒されていきます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ブーセ、ジャン=バティスト・ド:春