一日一曲(1579)ルーサム、シリル:小組曲
本日は、生誕150年(1875年10月5日生)を迎えらえたイギリスの作曲家、シリル・ルーサムさんの曲をご紹介します。
ルーサムさんはイングランド南西部の街ブリストルで生まれました。父親は有名な歌の教師だったそうです。幼少期から音楽の教育を受けていましたが、進学したケンブリッジのセント・ジョンズ・カレッジでは当初は古典を学びいったん卒業、その後2番目の学士号を音楽で取得し1900年に修了、さらに王立音楽大学で音楽教育を続けました。その後、1898年にハムステッドのクライストチャーチのオルガニストとなり、活躍されました。1901年にはウェールズ北部のセント・アサフ大聖堂で短期間オルガニストを務められました。同年、ケンブリッジのセントジョンズ大学のオルガニストに任命され、それから生涯の終わりまでその職を務められました。私生活では1909年にロザモンド・マーガレット・ルーカスと結婚、妻からは献身的なサポートと励ましを多くいただいていたようです。ロザモンドはCUMSのコンサートで衣装製作を担当していたとのことで、ルーサムさんの家はいつも新しい公演に必要な服でいっぱいだった、とのことです。1910年には息子のジャスパー・セント・ジョン・ルーサムが誕生しています。1912年、ケンブリッジ大学音楽協会(CUMS)の指揮者になり、ヘンデルのオラトリオ、モーツァルトのオペラ、その他現在無視されているパーセルらの作品を復活させることに貢献しました。1914年、音楽の形式と分析の大学講師の職を引き継いだ後、セントジョンズのフェローになり、1924年には対位法とハーモニーの上級講師に任命されました。晩年は脳卒中を患い、その後進行性筋萎縮症などにも苦しみました。1938年3月にまだまだ創造力の絶頂期であった中、62歳で惜しまれつつ世を去りました。
本日の今日はピアノと管弦楽のための「小組曲」です。4楽章形式ですが演奏時間は10分程度で、それぞれの楽章はコンパクトにまとまっています。どこをとっても親しみやすいメロディで満ちていて、落ち着いて安心して聴いていられる曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ルーサム、シリル:小組曲