一日一曲(1583)ブルンクホルスト、アルノルト・マティアス:前奏曲とフーガ ホ短調

 本日は、没後300年(1725年没)を迎えらえたドイツの作曲家兼オルガニスト、アルノルト・マティアス・ブルンクホルストさんの曲をご紹介します。

 ブルンクホルストさんは1670年頃にドイツ中北部の街ツェレまたは北部の街ヴィッツェンドルフで生まれました。1693年から、ヒルデスハイムの聖アンドレアスでオルガニストを務めました。1697年、ツェレのシュタット教会でオルガニストのポストに就任しました。1720年、ハノーファーの宮廷オルガニストに任命されました。主に鍵盤音楽の曲が残されており、とくに組曲や前奏曲、フーガはドイツ北方楽派の伝統に連なるものと評価されています。現存する作品は少ないものの、短い舞曲や精緻な対位法を備えた曲からは北ドイツ・オルガン楽派の影響が感じられ、後の世代への橋渡しの存在ともみなされます。1725年頃に没したとされ、そこから忘れられた作曲家となりましたが、20世紀以降に写本が再発見され、再評価が進みました。ブルンクホルストさんの作品は、バッハと同時代の多様なドイツ音楽文化を知る貴重な資料となっています。

 本日の曲はオルガン曲「前奏曲とフーガ ホ短調」です。演奏時間約5分の短い曲ですが、堂々たる作品に仕上がっています。作曲者を伏せたら、「バッハ」と答える人もいらっしゃるのではないでしょうか。偉大なバッハにも堂々と対抗できる質を持っている作品と感じました。残された作品が限られている、ということで、ちょっと残念です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ブルンクホルスト、アルノルト・マティアス:前奏曲とフーガ ホ短調
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