一日一曲(1590)ヴァレリウス、アドリアヌス:イギリスの舞曲

 本日は、生誕450年(1575年生)及び没後400年(1625年1月27日没)を迎えらえたオランダの作曲家、アドリアヌス・ヴァレリウスさんの曲をご紹介します。

 ヴァレリウスさんはオランダ南西部の街ミデルブルクで生まれました。法学を修めつつ市の公職に就き、後にエンクホイゼンの市参事や徴税官も務めました。作曲家としては多声合唱曲や宗教的・世俗的歌を手掛けましたが、自作曲のほかに他の作曲家の旋律を取り入れ、歌詞を愛国的に書き換えるなどの手法を用いました。代表的な収録曲「Wilhelmus」はオランダ国歌となり、ヴァレリウスの編纂を通じて後世に広まりました。彼の活動は芸術家というより文化的記録者としての性格が強く、民族意識の形成に大きく寄与しました。オランダ独立戦争(八十年戦争)の時代に生き、作品にはカトリックから独立を目指す新興オランダ共和国の精神が強く反映されています。1625年、ハールレムで没しました。

 本日の曲はリュートの独奏曲「イギリスの舞曲」です。NMLでは「Engels Malsims」という題名でしたが、日本語訳すると「イギリスの舞曲」となるようです。リュートの曲は、しっとりした雰囲気のメロディが似合うと感じますが、本曲はまさにリュートのための曲、と言えるでしょう。静かに繊細な音に聴き入ってみてください。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴァレリウス、アドリアヌス:イギリスの舞曲

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