一日一曲(1595)ハジダキス、マノス:6つの名画

 本日は、生誕100年(1925年10月23日生)を迎えらえたギリシャの作曲家、マノス・ハジダキスさんの曲をご紹介します。

 ハジダキスさんはギリシャ北部の街クサンティで生まれました。1940年から1943年にかけて音楽理論を学び、同時にアテネ大学で哲学を学びました。哲学の方は、大学のコースを修了せず、音楽の道に進むことになりました。枢軸国によるギリシャ占領の最終段階で、ハジダキスは主要なレジスタンス組織EAMの青年支部である汎ギリシャ青年統一組織(EPON)のメンバーシップを通じてギリシャのレジスタンスに積極的に参加し、そこで作曲家ミキス・テオドラキスと出会い、すぐに強い友情を育みました。1950年代は映画音楽を中心に活躍されました。1962年には、ギリシャの作曲家を奨励する音楽コンクールを設立しました。1963年の第1回では、後に現代音楽の重要作曲家となるイアニス・クセナキスが賞を獲得しました。1966年から1972年まで米国を拠点として活動しました。1972年にギリシャに戻り、1974年にギリシャ軍事政権が打倒された後、アテネ国立管弦楽団(KOA)、ギリシャ国立歌劇場(ELS/GNO)、ギリシャ放送協会(ERT)で多くの指導的地位に就きました。1985年、神話上のオリオンの狩猟犬シリウスにちなんで名付けられた自身のレコード会社「セイリオス」を立ち上げました。1989年には、あまり知られていない作品やギリシャの作曲家の音楽を演奏するアンサンブル、オーケストラ・オブ・カラーズを設立し、指揮しました。1994年6月15日にアテネで心臓発作で68歳で亡くなられました。

 本日の曲はピアノ独奏曲「6つの名画」です。この曲は、当時は知られていなかった6つの「レベティカ」の歌曲をピアノで編曲したもので、後に広く人気を博し、ハジダキスさんの代表曲となりました。「レベティカ」とは、20世紀初頭のギリシャで生まれた都市下層民の大衆音楽のことです。「ギリシャ版ブルース」とも呼ばれ、悲哀・愛・放浪・刑務所・社会からの疎外などをテーマにしています。ハジダキスさんは1949年、カロロス・クン芸術劇場での講演で、レベティカの重要性を主張し、その起源と真正性はビザンチン音楽と正統派聖歌にまで遡ることができると主張し、既存の見解に異議を唱え、強い感情と反響を呼び起こしました。そして、芸術家の直感は再び正しかったことが証明されました。6つの舞踏リズムに基づくこれらのレベティカの歌曲は、悲しみ、永遠に失われたものへの郷愁、理想化された美、そして満たされない憧れといった共通の感情を共有しています。 1951年、マーサ・グラハムの弟子であるラル・マヌーが振付し、ヤニス・モラリスが衣装と舞台美術を担当したこの作品は、ギリシャ舞踊史において重要な節目となりました。
 本日は自作自演でお聴きください。貴重な演奏です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ハジダキス、マノス:6つの名画

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