一日一曲(1617)スタトコフスキ、ロマン:トッカータ
本日は、没後100年(1925年11月12日没)を迎えらえたポーランドの作曲家、ロマン・スタトコフスキさんの曲をご紹介します。
スタトコフスキさんは1859年12月24日にポーランドのカリシュ近郊のシュチピオルノで生まれました。当初は弁護士として訓練を受けましたが、音楽家としての道を選択し、サンクトペテルブルク音楽院で研鑽を積み、1890年に31歳で卒業しました。2つのオペラ「フィラエニス(またはフィレニス)」と「マリア」が好評を博しました。が、後進の指導に専念するため、1904年には作曲活動をやめてしまい、その後亡くなるまでの21年間はずっと教師として尽力されました。1909年にワルシャワ音楽院の作曲教授に任命されています。1925年11月12日にワルシャワで65歳で亡くなられました。20世紀ポーランドの音楽家たちに多大なる影響を与えた人として知られています。スタトコフスキさんの作品は後期ロマン派のスタイルで書かれており、とりわけピアノ曲は、ショパンの伝統を受け継ぎながら、それを更に発展させた聴き応えのあるものです。
本日の曲はピアノ独奏曲「トッカータ」です。作品番号は33、演奏時間約4分の小品です。スタトコフスキのピアノ曲の中でも難易度が高い曲として知られています。出だしのから超絶技巧を駆使した超速のメロディで聴衆を圧倒します。続いて勇壮な調べが展開されていきますが、単に技巧的なだけではなく、ロマンティックな歌心も兼ね備えています。ショパンの伝統を受け継いでいる、という評価も頷けます。後半生の21年間、作曲を辞めてしまったということがとても勿体なく感じます。続けていらっしゃったら、更に素敵な曲が人類の財産として残されていたかもしれません。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
スタトコフスキ、ロマン:トッカータ
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