一日一曲(1626)ヴェッツ、リヒャルト:無伴奏ヴァイオリンソナタ

 本日は、生誕150年(1875年2月26日生)を迎えらえたドイツの作曲家、リヒャルト・ヴェッツさんの曲をご紹介します。

 ヴェッツさんは1875年2月26日に現在のポーランドの南部の街グライヴィッツで生まれました。家族の中に音楽に関心のあった人はいなかったこともあり、幼い頃から音楽に惹かれていたヴェッツさんは8歳になるまで定期的なピアノのレッスンを受けることはありませんでした。そこからピアノを独学し、やがて歌曲なども作曲するようになりました。13歳までに音楽に人生を捧げることを決意されたそうです。1897年にライプツィヒに行き、音楽院で学ぶことになりましたが、わずか6週間後に自主退学し、音楽の個人レッスンを受ける傍ら、ライプツィヒ大学で哲学、心理学、文学などをべんきょうしました。1899年の秋、ライプツィヒを離れてミュンヘンに移り、音楽の勉強を再開しましたが、1900年には再び学業を中断し、シュトラールズントに移り、劇場指揮者として就職しました。その後1906年にエアフルト音楽協会のマネージャーに任命され、その後の数年間、音楽の専門職に専念しました。1911年から1921年にかけてエアフルト市音楽院で作曲と音楽史を教え、1917年にはワイマールの公爵音楽大学の音楽と作曲の歴史の講師(助教授)となり、1920年には教授となりました。1928年にはプロイセン芸術アカデミーの外国人会員に任命され、その後まもなく、ベルリン音楽大学にも呼ばれました。1934年には、町は彼をエアフルト市の音楽代表に任命しています。1935年1月16日、ヴェッツさんはエアフルトで59歳で亡くなられました。

 本日の曲は「無伴奏ヴァイオリンソナタ」です。「前奏曲」「ガヴォット」「ロマンス」「ロンド」の4楽章からなり、演奏時間は約25分です。全体的に地味な曲想です。それは、4つの楽章とも速いテンポのものがないことが原因のように思います。一番早いのが「ロンド」ですが、これもさほど早くない、アレグレット位の速度ですので、急速なパッセージを爽快に弾き飛ばす、と言った形での超絶技巧が使われていません。派手さがないので、演奏会にはどちらかというとあまり向かないのではないでしょうか。そんなところも、本曲が埋もれてしまっている一員なのかもしれません。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴェッツ、リヒャルト:無伴奏ヴァイオリンソナタ

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