一日一曲(1627)カプースチン:サクソフォン協奏曲
本日は生誕88年を迎えられた作曲家カプースチンさんの作品をご紹介します。本日ご紹介する曲は「サクソフォン協奏曲」です。
1987年、カプースチンさん50歳の時の作品です。作品番号は50。初期の作品に分類されます。演奏時間は約16分、伝統的な複数楽章構成ではなく、ひと続きのラプソディー的な形式が用いられています。オーケストラは通常の編成の他に、ドラム・セットやギター、ベースギター、ハープなどもくわわっていて、ジャズのビッグバンド的要素も取り入れられています。単なる「クラシックの協奏曲」ではなく、「クラシックとジャズが融合した協奏曲」と言えます。ジャズと融合した協奏曲というと、本年生誕150周年のフランスの大作曲家モーリス・ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」が嚆矢となりますが、それから57年の時を経て、さらに本格的な作品が誕生したことになります。
冒頭、ゆるやかなテンポ〈Lento〉で低音群の持続音を背景に、サクソフォンが曲線的な旋律を奏でます。この導入部では、静謐な中にジャズのムードや映画音楽的な甘美さが感じられます。中盤では、リズムが一転してスイング&ブルース的な展開を見せます。ドラム・セット、ベース・ギター、ピアノなどが軽快に絡み、サクソフォンが華麗な技巧を披露します。最後は冒頭の落ち着きあるムードに戻った後、再びビッグバンド的に炸裂して華々しく曲は閉じられます。
NMLにはピアノ伴奏版しかありませんでしたので、こちらをUPいたします。原曲をUPしたかったところですが…。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カプースチン:サクソフォン協奏曲
