一日一曲(1629)シュラー、ガンサー:無伴奏ホルンのための二重奏曲
本日は、生誕100年(1925年11月22日生)を迎えらえたアメリカの作曲家兼ホルン奏者兼フルート奏者、ガンサー・シュラーさんの曲をご紹介します。
シュラーさんはニューヨーク市で生まれました。お父様はドイツ生まれで、ニューヨーク・フィルハーモニックの弦楽器奏者でした。幼いころから音楽の英才教育を受け、セント・トーマス合唱団学校で学び、熟練したフレンチホルン奏者とフルート奏者になりました。 15歳のときには、アメリカンバレエシアターでプロとしてホルンを演奏し、17歳のときにはシンシナティ交響楽団の首席ホルン奏者に任命されました。その後ニューヨークのメトロポリタン歌劇場管弦楽団に任命され、1959年まで在団しました。また、マンハッタン音楽学校のプレカレッジ部門に通い、研鑽を重ねました。後に同校で教鞭をとっています。プロとしてプレーしたかったため、すでに高校を中退していたシュラーさんは、どの教育機関からも学位を取得することはありませんでした。1955年、シュラーさんとジャズピアニストのジョン・ルイスはモダン・ジャズ・ソサエティを設立し、同年にニューヨークのタウンホールで最初のコンサートを開催しました。このソサエティは後にジャズ・クラシック音楽協会として知られるようになりました。1957年にブランダイス大学で講義をしていたとき、シュラーさんはクラシックとジャズのテクニックを組み合わせた音楽を表すために「サードストリーム」という用語を作りました。シュラーさんはこのスタイルの熱心な擁護者となり、その原則に従って多くの作品を書きました。1959年、シュラーさんは作曲、教育、執筆に専念するために演奏活動からほぼ引退しました。多くの音楽ジャンルで190以上のオリジナル作品を書きました。1960年代から1970年代にかけて、シュラーさんはニューイングランド音楽院の学長を務め、そこでニューイングランド・ラグタイム・アンサンブルを設立しました。この期間中、シュラーさんはタングルウッドにあるボストン交響楽団の夏の別荘でさまざまな役職を歴任し、1965年から1969年まで新しい音楽活動のディレクターを務め、1970年から1984年までタングルウッドミュージックセンターの芸術監督を務め、タングルウッド現代音楽祭を創設しました。1993年から亡くなるまで、シュラーさんはワシントン州スポケーンで開催されたノースウェスト・バッハ音楽祭の芸術監督を務められました。2015年6月21日、白血病の合併症によりボストンで89歳で亡くなられました。
本日の曲は「無伴奏ホルンのための二重奏曲」です。4つの楽章で構成され、演奏時間は約6分、それぞれの楽章は短くまとまっています。ホルンの二重奏曲と言うのは、珍しいジャンルです。本曲は貴重なレパートリーと言えるでしょう。ホルン奏者としても活躍された作曲者ですので、ホルンのことは知り尽くしていらっしゃいます。そんな方だからできる、2本のホルンが玄妙に響きが印象的です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
シュラー、ガンサー:無伴奏ホルンのための二重奏曲
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