一日一曲(1632)フンメル、ベルトルト:子供のための10のピアノ小品

 本日は、生誕100年(1925年11月27日生)を迎えらえたドイツの作曲家、ベルトルト・フンメルさんの曲をご紹介します。

 フンメルさんは1925年11月27日にドイツ南部の街フライブルクで生まれました。1947年から1954年までフライブルク音楽アカデミーで音楽の研鑽を積みました。1954年から1956年にかけてチェリストおよび作曲家としてツアーを行っています。フライブルクで合唱団指揮者として働き、1956年から1963年までバー デンバーデン放送局で働きました。また、1963年にヴュルツブルクで作曲の教師になり、その後25年間、スタジオ・フォー・ニュー・ミュージックを指揮しました。1974年に教授に昇進、1979年から1987年まではヴュルツブルク音楽大学の学長を務め(1988年以降は名誉学長)、1982年にバイエルン美術アカデミーの会員にも推されました。2002年8月9日にヴュルツブルクで76歳で亡くなられました。初期には実験的語法にも関心を示しましたが、次第に明確な形式感と豊かな旋律性を重んじる独自の現代語法を確立しました。宗教的主題や精神性を帯びた作品を数多く遺されました。また教育的な作品にも意欲的で、子供のための10のピアノ小品Op.56bをはじめ、若い演奏家が現代音楽の語法に親しむための親しみやすい作品を多く遺されています。温かみと精神的深さを兼ね備える作風で、ドイツ戦後音楽の重要な一翼を担いました。

 本日の曲は、上で触れた「子供のための10のピアノ小品」です。10曲から構成されていて、演奏時間は約12分、各曲の演奏時間は1分前後という短さです。10曲には以下のようなタイトルが付けられています。

第1番 前奏曲
第2番 手回しオルガン
第3番 ブリキの兵隊の行進
第4番 嘆きのナイチンゲール
第5番 オスティナート
第6番 小さなメロディー
第7番 チンチン電車
第8番 雀への挽歌
第9番 月明かりのダンス
第10番 ボール遊び

 親しみやすいメロディですが、和声は結構複雑です。子供たちが楽しみながらいろいろな響きに触れていける、新鮮な音楽体験ができるように工夫された曲集です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フンメル、ベルトルト:子供のための10のピアノ小品

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