一日一曲(1652)マクレラン、ジョン:March Medley
本日は、生誕150年(1875年8月8日生)を迎えらえたスコットランドの作曲家、ジョン・マクレランさんの曲をご紹介します。
マクレランさんは、1875年8月8日にアーガイル州ダヌーンで生まれました。幼い頃からパイプ音楽に親しんで育ちました。17歳で英軍ハイランド軽歩兵連隊に入隊し、パイパーとしての才能を早くから発揮しました。南アフリカのブーア戦争に従軍した際には勇敢さが認められ、英国で二番目に高い武勇勲章であるディスティングイッシュト・コンダクト・メダル(DCM)を受章しています。軍務のなかで地中海地域など各地を転戦した経験は、後年の作品にしばしば反映され、例えば「The Bells of Malta」のように駐屯地の地名を冠した楽曲も生まれました。1903年に軍を離れた後は、グラスゴーの警察パイプバンドで活動し、ほどなく故郷に戻って作曲と指導に専念するようになります。この頃、彼は自作を中心とした曲集『Cowal Collection of Modern Highland Bagpipe Music』を編み、その中に収められた「Lochanside」「The Bens of Jura(のちの “The Road to the Isles”)」などの作品は、現代に至るまで定番レパートリーとして広く演奏されています。これらの曲は、旋律の美しさと構成の巧みさによって高く評価され、ハイランド・パイプ音楽の近代化に大きな役割を果たしました。1912年には再び軍務に復帰し、第一次世界大戦ではフランス戦線で従軍しました。戦後は第8アーガイル&サザーランド・ハイランダーズ連隊のパイプメジャーとして重責を担い、1930年までその任務を務め上げています。彼の作曲活動は生涯にわたって続けられ、行進曲、リトリートマーチ、スローエアなど170曲以上の作品が知られています。晩年は郷里で後進の育成に励み、控えめながら誠実な人柄で敬愛を集めました。1949年7月31日にダヌーンで亡くなりましたが、その音楽は今日も世界各国のパイパーに受け継がれ、ハイランド・パイプ音楽の黄金期を築いた作曲家として高く評価されています。
本日の曲は「March Medley」です。典型的なハイランド・パイプ音楽です。持続する低音にのってパイプの音が朗々と響き渡ります。「メドレー」とタイトルにありましたので、次々といろいろな曲が演奏されるのかと思いきや、そうでもなさそうな雰囲気でした。もっとも、これがパイプ音楽界での「メドレー」なのかもしれませんが。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マクレラン、ジョン:March Medley
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