一日一曲(1666)グレンラント、ペーター：魔王

　本日は、没後200年（1825年12月30日没）を迎えらえたデンマークの作曲家、ペーター・グレンラントさんの曲をご紹介します。

　グレンラントさんは1761年10月15日、ドイツ北部の街ウィルスターで生まれました。1782年から1785年までキール大学で法学を学び、その後コペンハーゲンに移りドイツ首相府で勤務しました。1794年から1810年までは王立磁器工場の経済管理者として働いています。1801年からは法評議会のメンバーに任命され、1803年からは財務管理の共同局長を務められました。その間、音楽の分野でもバッハやヘンデルの作品の普及を支援したり、音楽評論家としてドイツおよびデンマークの主要な雑誌に寄稿するなど、活動されました。また、作曲家としては、多くの歌曲を創作、とりわけゲーテの詩に曲をつけた歌曲を50曲以上も遺されました。さらに民謡収集家として、スカンジナビア民謡の収集と和声の解析等も行いました。1825年12月30日にコペンハーゲンで64歳で亡くなられました。

　本日の曲は歌曲「魔王」です。「魔王」というと、ゲーテの詩によるシューベルトの歌曲が有名ですが、本曲もそのゲーテの詩に曲をつけたものです。
　本曲は、約30秒ほどの節が何度も繰り返される形になっています。シューベルトが劇的に物語を表現した手法とは好対照といえます。個人的にはシューベルトの曲が超有名となり、本曲がうずもれてしまったのは、さもありなんと感じます。恐らく多くの人が同じように感じられるのではないかと思います。まあ、大天才には叶わなかった、というところでしょうか。致し方ないことなのかもしれません。

NML（ナクソス・ミュージック・ライブラリ）より（NML会員以外の方でも無料で試聴できます）
グレンラント、ペーター：魔王

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