一日一曲(1672)エスプラ、オスカー:ソナタ・エスパニョーラ
本日は、没後50年(1976年1月6日没)を迎えらえたスペインの作曲家、オスカー・エスプラさんの曲をご紹介します。
エスプラさんは1886年8月5日、スペイン王国東南部の港町アリカンテで生まれました。幼少期に父から音楽の手ほどきを受けましたが、1903年にバルセロナに出て進学した先は工業工学の学校でした。が、その後哲学の専攻に転向、さらに作曲の道に転身しました。1911年、国際的な賞を受賞し、オーストリアとドイツへ渡り研鑽を重ねました。その後、ウィーンにも遊学、1912年から1913年にかけてはパリで活動しました。1936年に、母国マドリードの国立音楽・作曲院の院長に任命されましたが、その職には就きませんでした。スペイン内戦の影響で家族と共にベルギーに渡りました。そんな訳で祖国とは折り合いが悪く、1950年までスペインへの帰国を許されませんでした。1976年1月6日にマドリードで89歳で亡くなりました。アリカンテ市の音楽院(Conservatorio Superior de Música)は彼に捧げられています。また、オスカー・エスプラ国際作曲賞(Premio internacional de composición Óscar Esplá)は1955年に創設され、アリカンテ市によって授与されています。
本日の曲はピアノ曲「ソナタ・エスパニョーラ」です。1932年、作曲者46歳の時の作品です。副題は「フレデリック・ショパン追悼」とつけられており、第2楽章は「マズルカのテンポで」と記されています(マズルカはポーランドの舞曲で、ショパンは好んで作曲されていました)。題名が示す通り、ピアノの詩人ショパンへの敬意を込めて書かれていますが、ショパンの旋律をそのまま使うのではなく、「歌うようなピアノの響き」や「繊細な感情表現」という精神面を受け継いでいる点が特徴です。3楽章のソナタ形式を基礎としており、構成は比較的しっかりしているため、全体像をつかみやすい作品です。一方で、旋律やリズムにはスペイン音楽特有の色彩が感じられ、明るさの中に哀愁が漂います。難解さよりも表情の変化や雰囲気を味わうことができ、ピアノ初心者でも「情景を思い浮かべながら聴ける」一曲といえるでしょう。ショパンへの追悼とスペイン的個性が静かに溶け合った、味わい深い作品です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
エスプラ、オスカー:ソナタ・エスパニョーラ
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