一日一曲(1687)エヴァンジェリスティ、フランコ:Aleatorio
本日は、生誕100年(1926年1月21日生)を迎えらえたイタリアの作曲家、フランコ・エヴァンジェリスティさんの曲をご紹介します。
エヴァンジェリスティさんは1926年1月21日にイタリアの首都ローマで生まれました。幼少期から音楽教育を受け、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院で作曲を学びました。当初は伝統的な書法に基づく作品を手がけていましたが、1950年代に入ると、ダルムシュタット夏期講習会への参加を通じて、シュトックハウゼン、ブーレーズ、メシアンらの最先端の音楽思想に触れ、急速に前衛的傾向を強めていきました。セリー技法を出発点としながらも、その厳格な構造主義に次第に懐疑的となり、偶然性、開かれた形式、音響そのものの現象学的把握へと関心を移していきました。1959年にはローマで即興と実験を重視する作曲家集団「Gruppo di Improvvisazione Nuova Consonanza(新協和即興グループ)」を結成し、作曲家エンニオ・モリコーネらと共に、作曲家と演奏家の境界を解体する活動を展開しました。950-1960年代は彼の名前を聞かない日は全くなかったものの、1970年代に入ると教職活動が多忙になり、サンタ・チェチーリア国立アカデミア、サンタ・チェチーリア音楽院およびカゼッラ音楽院で教鞭をとり続けていた。1979年にこれまでの全活動を綴った『Dal silenzio a un nuovo mondo sonoro』を出版しています。
エヴァンジェリスティさんの作品は数こそ多くないが、《Die Schachtel(箱)》《Aleatorio》などに見られるように、音の生成過程や不確定性を構造の中心に据える独自の美学を示しています。晩年は多発性硬化症を患い、創作活動は制限されたものの、その思想はイタリア現代音楽に深い影響を残しました。1980年、ローマで比較的若くして世を去りましたが、エヴァンジェリスティさんの問いかけた「作曲とは何か」という根源的問題は、現在もなお有効性を失っていません。戦後イタリア前衛音楽を代表する作曲家の一人であり、特に実験的作曲技法と集団的創作思想において重要な役割を果たした人物として評価されています。
本日の曲は、上の文章中にも出てきた、弦楽四重奏曲「Aleatorio」です。1959年、作曲者33歳の時の作品で、代表作の一つと評価されています。個人的には、本曲の「良さ」が今一つ理解できないのですが、いつか理解できる日が来るかも、と期待して、これからも何度か聴いていこうか、と思っています。演奏時間2分弱のとても短い曲なので、どなたでも聴きとおすのにはさほど苦労はしないのでないでしょうか。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
エヴァンジェリスティ、フランコ:Aleatorio
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