一日一曲(1698)クラビホ・デル・カスティーリョ、ベルナルド:聖体奉挙のための第2旋法によるティエント

 本日は、没後400年(1626年2月1日没)を迎えらえたスペインの作曲家兼オルガニスト兼チェンバロ奏者、ベルナルド・クラビホ・デル・カスティーリョさんの曲をご紹介します。

 ベルナルド・クラビホ・デル・カスティージョは1545年にスペインで生まれました。幼少期についてはほとんど知られていませんが、知人の話や幼少期の教育選択など数少ない情報から、スペインの最北端の出身だと考えられています。スペイン国王フェリペ3世の礼拝堂長とオルガニストを務めたほか、マドリード王室礼拝堂のオルガニストも務められました。1594年12月12日にマリア・カリオンと結婚し、アントニオ(1595年生まれ、オルガニスト)、ベルナルディーナ(1598年生まれ、作曲家兼演奏家)、フランシスコ(1605年生まれ、作曲家兼オルガニスト)の3人の子供をもうけました。最初の妻の死後、1618年8月3日にアナ・デル・ヴァッレと再婚し、娘アナ・マリアをもうけました。1626年2月1日にマドリードで亡くなられました。

 本日の曲は、オルガン曲「聖体奉挙のための第2旋法によるティエント」です。
 タイトルの「聖体奉挙(せいたいほうきょ)」とは、カトリック教会のミサ(キリスト教の礼拝)において、パン(ホスト)とワインがキリストの体と血に変化したことを示すため、司祭がそれらを高く掲げる最も神聖な儀式です。その時に演奏される曲と言うことになります。
 ティエント (Tiento)とは、スペイン語の「触れる(tentar)」が語源で、指の動きを確かめるような即興的な器楽曲のことを指します。イタリアの「トッカータ」や「リチェルカーレ」に近い形式です。
 第2旋法は、別名ヒポドリア旋法と呼ばれます。これは「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ」の音階を基本とするドリア旋法の下方変種で、主音(終止音)は同じ「レ」ですが、より低い音域を中心に動くのが特徴です。その響きは現代の短調に似た悲しみを湛えつつも、より重厚で瞑想的な雰囲気を持ちます。当時の理論で「謙虚な祈り」を象徴するとされ、聖体奉挙のような厳かな儀式で聴き手の心を深い信仰へ導くために用いられました。

<聴きどころ>
1)浮遊感のある「不協和音」
 この曲の最大の特徴は、音がぶつかり合う「不協和音」の使い方です。わざと音を濁らせることで、「苦しみ」や「切実な祈り」を表現しています。音がスッと解決して綺麗に響く瞬間の心地よさは格別です。
2)独特の「半音階」の動き
 メロディが半音ずつジリジリと動いていく箇所があります。これは当時の音楽理論で「悲しみ」や「神秘」を表す定番の技法でした。まるで煙がゆっくりと立ち昇るような、幻想的な感覚を味わえます。
3)「静寂」を感じさせる響き
音の数がそれほど多くありません。一つひとつの音が教会の高い天井に響き渡り、消えていく余韻までが音楽の一部です。派手な盛り上がりではなく、「静かな感動」を探してみてください。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
クラビホ・デル・カスティーリョ、ベルナルド:聖体奉挙のための第2旋法によるティエント

クラビホ・デル・カスティーリョ、ベルナルド:聖体奉挙のための第2旋法によるティエント(MP3ダウンロード)

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