一日一曲(1707)セーデルマン、アウグスト:スウェーデン祝祭音楽
本日は、没後150年(1876年2月10日没)を迎えらえたスウェーデンの作曲家、アウグスト・セーデルマンさんの曲をご紹介します。
【アウグスト・セーデルマン:北欧の民族精神を合唱と管弦楽に刻んだ、スウェーデン国民楽派の先駆者】
アウグスト・セーデルマンは1832年7月17日にスウェーデンのストックホルムで生まれました。音楽家の家庭に育ち、ストックホルムの音楽院で学んだ後、ドイツのライプツィヒ音楽院へ留学しました。当時のドイツ音楽の先進的な技術を吸収しつつも、彼の心にあったのは故郷スウェーデンの豊かな民謡や伝承でした。帰国後はストックホルムの王立歌劇場の合唱指揮者や副指揮者を務め、劇音楽の分野で目覚ましい活躍を見せます。
セーデルマンの功績は、それまでドイツ音楽の影響が強かったスウェーデンのクラシック界に、「北欧らしさ」を吹き込んだことにあります。特に声楽曲の分野では、スウェーデン語の響きを活かした美しい旋律を生み出し、後のグリーグやシベリウスといった北欧の巨匠たちへ続く道を切り拓きました。1876年2月10日に生まれ育った街ストックホルムで43歳の若さで亡くなられましたが、彼の音楽は今もスウェーデンの魂として愛され続けています。
【本日のご紹介曲:スウェーデン祝祭音楽(Svenska festspel)】
この曲は、もともとは劇音楽『リチャード三世』の序曲として書かれたものを、後に独立させた作品です。タイトル通り、お祭り騒ぎのような高揚感と、スウェーデンの雄大な景色を思わせる爽やかさが詰まった、セーデルマンの代表的な管弦楽曲です。
本曲の中間部には、スウェーデンの民謡『Du gamla, du fria(汝、古きもの、汝、自由なるもの)』を予感させるようなフレーズが含まれています。これは現在のスウェーデン国歌として親しまれているメロディです。当時はまだ正式な国歌ではありませんでしたが、セーデルマンがこのメロディを取り入れたことは、彼がいかに「スウェーデンのアイデンティティ」を大切にしていたかを象徴しています。
【聴きどころ】
1)心躍るポロネーズのリズム
曲全体を貫いているのは、華やかな「ポロネーズ」のリズムです。セーデルマンは本曲以外でも「ポロネーズ」を多用したことから「北欧のショパン」とも言われています。貴族の舞踏会のような優雅さと、民衆の力強さが混ざり合った、聴いているだけで背筋が伸びるようなワクワク感を楽しめます。
2)北欧の風を感じるメロディ
途中で現れるゆったりとした部分は、まるで北欧の深い森や湖を眺めているような、どこか懐かしく切ないメロディが流れます。派手なだけではない、セーデルマン特有の「叙情性」が光るポイントです。
3)クライマックスの迫力
フィナーレに向かってオーケストラ全体が鳴り響く場面は圧巻です。お祝いのファンファーレのような響きは、初めてクラシックを聴く方でも理屈抜きに「かっこいい!」と感じられるはずです。オーケストラの華やかなファンファーレに注目して聴いてみてください。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
セーデルマン、アウグスト:スウェーデン祝祭音楽
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