一日一曲(1730)インドジーフ、インドジーフ:Sila Kosilichu(わたしの恋人)
本日は、生誕150年(1876年3月5日)を迎えらえたチェコの作曲家、インドジーフ・インドジーフさんの曲をご紹介します。
【インドジーフ・インドジーフ:チェコの魂を芸術歌曲へと昇華させた民俗音楽研究の大家】
インドジーフ・インドジーフは1876年3月5日、当時のオーストリア=ハンガリー帝国(現在のチェコ西部)のドマジュリツェに生まれました。
彼は生涯を通じて故郷ホド地方の文化を深く愛し、失われゆく民謡を後世に残すため、自ら村々を歩き回って2万曲を超える膨大な歌を収集・記録するという偉業を成し遂げました。この功績に対し、1957年には「人民芸術家」の称号も授与されています。彼の創作活動において歌曲は最も重要な柱であり、民謡の素朴な美しさを活かしつつ、高度なピアノ伴奏を伴う「芸術歌曲」へと昇華させることに心血を注ぎました。
印象的なエピソードとして、彼は中央の音楽界から多くの誘いがあっても、生涯ドマジュリツェの町を離れることはありませんでした。地域の人々と共に生き、その文化を守り抜くことに人生を捧げた彼は、1967年1月5日、多くの人々に惜しまれながら同地で90年の生涯を閉じました。現在、彼の旧宅は「インドジーフ・インドジーフ博物館」として、その膨大なコレクションと共に一般公開されています。
【本日のご紹介曲:「Sila Kosilichu(わたしの恋人)」】
本作は、インドジーフが1900年代初頭に書き上げた、チェコの詩に基づいた抒情的な創作歌曲です。1919年には当時の歴史的な録音が行われており、100年以上の時を経た今でも、その瑞々しい魅力を味わうことができます。
【聴きどころ】
1)チェコ語の響きを活かした旋律
言葉の一つ一つが持つイントネーションや感情の揺らぎを巧みに捉えたメロディが、恋人への切実な想いを雄弁に語ります。
2)色彩豊かなピアノ伴奏
恩師ヴィーチェスラフ・ノヴァーク譲りの、重厚でロマン派的な響きを持つピアノが、歌唱を優しく包み込み、曲に深い奥行きを与えています。
3)素朴さと芸術性の調和
民俗音楽の守護者としての顔と、洗練された作曲家としての顔。その両方が見事に融合した、チェコ歌曲の至宝とも言える気品あふれる響きを堪能できます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
インドジーフ、インドジーフ:Sila Kosilichu(わたしの恋人)
インドジーフ、インドジーフ:Sila Kosilichu(わたしの恋人)(CD)
|
|
