一日一曲(1743)ガリード=レッカ、セルソ:前奏曲とトッカータ
本日は、生誕100年(1926年3月9日生)を迎えらえたペルーの作曲家、セルソ・ガリード=レッカさんの曲をご紹介します。
【セルソ・ガリード=レッカ:アンデスに根ざした民族的感性と、洗練された現代的知性を融合させ、ラテンアメリカ音楽の真価を世界へと知らしめた「音の親善大使」】
セルソ・ガリード=レッカ(Celso Garrido-Lecca)は、1926年3月9日にペルー北部のピウラで産声を上げました。彼は母国ペルーで音楽を学んだ後、1950年にチリへ渡り、サンティアゴのチリ大学音楽院で自由な創作活動を展開しました。1960年代にはアメリカへ留学し、タングルウッド音楽祭でアーロン・コープランドなどの巨匠に師事して最新の作曲技法を吸収しています。
その後、彼はチリ大学で作曲科の主任を務めるなど教育者として非常に高い評価を得ましたが、1973年のチリ軍事クーデターという激動の政情を受け、母国ペルーへと帰還しました。ペルーでも国立音楽院の院長を務めるなど、同国の音楽教育と創作の振興に多大な貢献を果たしました。
彼の作品は、南米の民族的なリズムや旋律を土台としながらも、12音技法などの前衛的な構造を取り入れた、緻密で色彩豊かな響きが特徴です。長きにわたり「ラテンアメリカ音楽の偉大な大使」として君臨した彼は、2025年8月11日、リマにて99歳でその波乱に満ちた生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲前奏曲とトッカータ】
この作品は、ガリード=レッカの卓越した知性と、ピアノという楽器のダイナミズムが結晶となった傑作です。「前奏曲」と「トッカータ」というバロック以来の古典的形式を借りながらも、その中には未知の響きを追い求める彼の探究心が脈打っています。 作曲年:1951年頃(1952年にチリにて初演)
【聴きどころ】
1)静寂から熱狂へと至る「ドラマ」
深い思索に沈むような「前奏曲」の静謐さと、続く「トッカータ」で解き放たれる原始的なエネルギーの対比に圧倒されます。
2)幾何学的な美しさとラテンの脈動
現代音楽らしい計算し尽くされた音の配置の中に、アンデスを彷彿とさせる複雑で鋭いリズムが鮮やかに組み込まれています。
3)鍵盤を打楽器へと変える超絶技巧
後半のトッカータでは、ピアノの弦を叩くような力強い打鍵が続き、奏者の卓越したテクニックが火花を散らすような興奮を呼び起こします。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ガリード=レッカ、セルソ:前奏曲とトッカータ
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