一日一曲(1746)真島俊夫:三つのジャポニスム

 本日は、没後10年(2016年4月21日没)を迎えらえた日本の作曲家、真島俊夫さんの曲をご紹介します。

【真島俊夫:和の感性とジャズの色彩を融合させ、日本の吹奏楽界に独自の響きを確立した稀代のヒットメーカー】
 真島俊夫(ましま としお)は、1949年2月21日、山形県鶴岡市に生まれました。地元の鶴岡南高校で吹奏楽と出会いトロンボーンを担当した彼は、音楽への情熱を抱きつつも一度は神奈川大学工学部に進学します。しかし、音楽の道を諦めきれず大学を中退。ヤマハ・バンド・ディレクターズ・コースへ編入し、日本を代表する作曲家・兼田敏氏らに師事して本格的に作編曲を学び始めました。
 プロとしてのキャリア初期は、主にジャズやポップスの編曲で頭角を現します。特に吹奏楽譜シリーズ「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」での『宝島』や『オーメンズ・オブ・ラブ』の編曲は、現在も全国の吹奏楽部で愛奏される不朽の名作となりました。一方で、自らのルーツである「日本」の美意識を西洋のオーケストレーションで表現することに心血を注ぎ、2001年には代表作『三つのジャポニスム』を発表。この作品は国内のみならず海外でも高く評価され、2006年には『鳳凰が舞う』でフランスの国際作曲コンクールグランプリを受賞するなど、世界にその名を知らしめました。
 晩年は日本吹奏楽普及協会の会長を務めるなど、後進の育成や吹奏楽文化の発展に尽力しました。ワインとタバコを愛するダンディな人柄で多くの奏者に慕われましたが、2016年4月21日、がんのため神奈川県横浜市の病院にて67歳で急逝。その早すぎる死は、日本の音楽界に大きな喪失感を与えました。

【本日のご紹介曲:三つのジャポニスム】(作曲年:2001年)
 東京佼成ウインドオーケストラの委嘱により作曲された、真島俊夫の真骨頂ともいえる全3曲の組曲です。日本の伝統的な音階や美意識を、フランス印象派のような色彩豊かな管弦楽法で描き出しています。本日は作曲者自身の指揮でお楽しみください!

【聴きどころ】
1)「鶴が舞う」の幻想的なダイナミズム
 第1曲では、雪原から鶴が飛び立ち、大空を優雅に舞う姿が描写されます。フルートやオーボエによる繊細な旋律から、合奏全体が波打つような壮大な盛り上がりへの変化は、まるで一幅の日本画が動き出すような迫力があります。
2)「雪の川」に漂う「静」の美学
 第2曲では一転して、雪がしんしんと降り積もる静寂な川の情景が描かれます。ハープ(またはピアノ)のアルペジオに乗せて奏でられるアルトサックスのソロは、日本的な哀愁とモダンな響きが同居しており、息をのむような美しさです。
3)「祭り」の熱狂と複雑なリズム
 第3曲は、日本の祭囃子を題材にしたエネルギッシュな終曲です。和太鼓を思わせる打楽器の力強いビートと、複雑に絡み合う木管楽器のフレーズが、祭りの最高潮に向かって加速していきます。ジャズの語法を取り入れた真島氏らしい華やかなフィナーレは必聴です。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
真島俊夫:三つのジャポニスム

真島俊夫:三つのジャポニスム(CD)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

真島俊夫 meets 神大 [ 神奈川大学吹奏楽部 ]
価格:3,700円(税込、送料無料) (2026/3/4時点)

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です