一日一曲(1760)オルランディーニ、ジュゼッペ・マリア:バコッコとセルピッラ
本日は、生誕350年(1676年4月4日生)を迎えらえたイタリアの作曲家、ジュゼッペ・マリア・オルランディーニさんの曲をご紹介します。
【ジュゼッペ・マリア・オルランディーニ:イタリアの喜劇オペラの扉を叩き、日常生活の悲喜交交を鮮やかな旋律で描き出した18世紀の巨匠】
ジュゼッペ・マリア・オルランディーニは、1676年4月4日にイタリアのフィレンツェで生まれました。1706年にはボローニャのフィラルモニカ・アカデミーの会員に選出され、若くして頭角を現します。1719年にはトスカーナ大公公妃ヴィオランテ・ベアトリーチェの宮廷楽長に任命され、名実ともにイタリア音楽界の中心人物となりました。
彼は生涯で40作を超えるオペラを執筆し、その作品はヴェネツィア、ローマ、ナポリといったイタリア国内のみならず、ロンドンやミュンヘン、ハンブルクなどヨーロッパ全土で上演され、当時の聴衆を熱狂させました。特に「インテルメッツォ(幕間劇)」の分野で近代的なオペラ・ブッファの先駆けとなるスタイルを確立し、後の世代に多大な影響を与えています。
晩年は故郷フィレンツェに戻り、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の楽長を務めるなど、宗教音楽の分野でも重きをなしました。長年にわたり音楽界の第一線で活躍を続けた彼は、1760年10月24日、生まれ故郷のフィレンツェにてその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:歌劇《バコッコとセルピッラ》】
この作品は、もともとオペラ・セリア(正歌劇)の幕間に上演されたインテルメッツォで、正式名称を『博打好きの夫と口うるさい妻(Il marito giocatore e la moglie bacchettona)』といいます。当時としては異例の全欧的な大ヒットを記録し、後のペルゴレージ《奥様女中》の先駆けとなった重要な歴史的作品です。
【聴きどころ】
1)「蛇」のように狡猾で愛らしいキャラクター描写
「セルピッラ」という名はイタリア語で「小さな蛇」を意味します。彼女が夫を翻弄し、時には法廷に訴え、時には甘えるといった表情豊かな性格が、音の跳躍や軽快なリズムで見事に表現されています。
2)社会風刺を込めた鋭いユーモア
ギャンブルに溺れる夫とそれに怒る妻という設定だけでなく、不公平な裁判や当時の結婚観に対する鋭い皮肉が台本に盛り込まれています。音楽がその滑稽さを引き立てることで、単なる笑劇を超えた人間味あふれるドラマが生まれています。
3)後のオペラ・ブッファへと繋がる音楽的対話
日常の話し言葉に近いテンポの良いレチタティーヴォ(唱法)と、感情を爆発させるアリアの対比が鮮やかです。特に二人の掛け合いが重なり合うデュエット(二重唱)は、劇的な緊張感と笑いを同時に演出しており、近代的な喜劇オペラの形式を予感させます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
オルランディーニ、ジュゼッペ・マリア:バコッコとセルピッラ
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