一日一曲(1769)ダンツィ、フランツ:チェロ協奏曲第1番イ長調
本日は、没後200年(1826年4月13日没)を迎えらえたドイツの作曲家兼チェリスト、フランツ・ダンツィさんの曲をご紹介します。
【フランツ・ダンツィ:モーツァルトの魂を継承し、若きウェーバーにロマン派の光を指し示したマンハイム楽派の名チェリスト】
フランツ・ダンツィは、1763年6月15日にドイツのシュヴェツィンゲンで生を受けました。マンハイム楽派の優れたチェリストであった父から音楽の英才教育を受け、わずか15歳で当時ヨーロッパ最高峰と謳われたマンハイム宮廷管弦楽団の一員となります。その後、選帝侯の移転に伴いミュンヘンへと移り、1790年には歌手のマルガレーテ・マルシャンと結婚して、夫婦で欧州各地を転々としながら演奏活動を行いました。1807年からはシュトゥットガルトのヴュルテンベルク王フリードリヒ1世の宮廷楽団の楽長職に就任、そこで若き日のウェーバーと親交を結び、彼の才能をいち早く見出してロマン派音楽の先駆けとなる活動を支えました。1812年からは、カールスルーエに移り、同地の音楽水準を飛躍的に高めることに貢献しました。古典派の端正な形式の中に、後のロマン派を予感させる抒情性を融合させた彼は、1826年4月13日にカールスルーエにてその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:チェロ協奏曲第1番イ長調】
ダンツィが自身の楽器であるチェロのために書き下ろした、技巧と優雅さが同居する傑作です。この作品には、独奏楽器としてのチェロの可能性を広げようとした彼の創意工夫が随所に凝らされています。
【聴きどころ】
1)導入から惹き込まれる優美な旋律
第1楽章「ラルゲット(Larghetto)」では、チェロが持つ特有の歌心あふれる柔らかな音色が冒頭から存分に発揮されています。
2)モーツァルトの旋律を用いた変奏
最終楽章(第2楽章)には、モーツァルトの歌劇『ドン・ジョヴァンニ』の二重唱「あそこで手を取り合い」を主題とした変奏曲が盛り込まれており、遊び心あふれる展開を楽しめます。
3)緩急自在な楽章構成の妙
ゆったりとした第1楽章から、一転して「アンダンテ・アレグロ」へと続く終楽章への流れは、古典派らしい形式美の中に聴き手を飽きさせない劇的な変化をもたらしています。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ダンツィ、フランツ:チェロ協奏曲第1番イ長調
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