一日一曲(1035)團伊玖磨:祝典行進曲
本日は、生誕100年(1924年4月7日生)を迎えらえた日本の作曲家、團伊玖磨さん特集の3回目です。
1959年には、皇太子明仁親王(当時)と正田美智子さんの成婚を記念して『祝典行進曲』を作曲しました。1964年の東京オリンピックでは、開会式にて演奏された『オリンピック序曲』を作曲しました。前述の『祝典行進曲』は開会式及び閉会式でも演奏されました。また、同年、エッセイ『パイプのけむり』の連載を雑誌「アサヒグラフ」にて始めました。この連載は2000年に同誌が休刊するまで連載を続けられました。最終回では「自分が死ぬのが先か雑誌が休刊するのが先か」どっちなのだろうと予想していたと書いていらっしゃいます。雑誌休刊の翌年に團さんは逝去されましたが、この「勝負」は團さんの勝ち、ということになりました。團さんは愛煙家でパイプを好んでいたそうで、そこからこのエッセイのタイトルがつけられました。なお、このエッセイは27冊の単行本としても発売されました。最初が「パイプのけむり」、次が「続パイプのけむり」、最終巻が「さよならパイプのけむり」でした。なお、最初の2巻で第19回読売文学賞(随筆・紀行)を受賞されています。
本日の曲は、上述しました「祝典行進曲」です。本曲は1959年4月10日の結婚の儀の一連の式終了後に行われた馬車による祝賀御列の儀の際に演奏されたと思われることが多いのですが、実際には当時の音楽隊の技術的問題で演奏されていません。1964年の東京オリンピック及び1984年のロサンゼルスオリンピックの開会式、1990年の即位の礼、1992年の天皇訪中の際の、中国側の歓迎として晩餐会時、2005年の黒田慶樹さんと紀宮清子内親王との結婚式で演奏されています。また、2009年12月13日には、アマチュア・オーケストラである学習院OB管弦楽団主催の第125代天皇明仁即位20年と天皇・皇后の結婚50年記念演奏会で演奏されました、当時の皇太子徳仁親王がヴィオラの首席奏者として参加し、天皇、皇后、皇太子妃が客席から鑑賞されていらっしゃいます。
本曲は戦後日本を代表する行進曲であり、海外の軍楽隊等が日本において演奏会を行う場合には、瀬戸口藤吉の「軍艦行進曲」とともに必ずといって良いほど演奏される、とのことです。また、入学式や体育祭、卒業式などで使われることも多い曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
團伊玖磨:祝典行進曲