一日一曲(1443)エシュパイ、アンドレイ:ピアノ協奏曲第2番
本日は、生誕100年及び没後10年(1925年5月15日生、2015年11月8日没)を迎えらえたロシアの作曲家、アンドレイ・エシュパイさんの曲をご紹介します。
エシュパイさんはロシア西部の街コズモデミャンスクで生まれました。お父様はマリ族出身で作曲家、お母様はロシア人でした。第二次世界大戦は赤軍に加わって戦い、戦後1948年から1953年までモスクワ音楽院でピアノ及び作曲を学びました。その後大学院に進み、1953年から1956年までロシアの大作曲家アラム・ハチャトゥリアンの下で研鑽を重ねました。故郷のマリ族の民間伝承の表現要素を頻繁に活用し、作曲されました。また、ジャズの影響も見られます。1981年にソビエト連邦人民芸術家の称号を授与されていらっしゃいます。息子さんは映画監督として活躍されていらっしゃいます。2015年11月8日にモスクワで脳卒中により90歳で亡くなられました。
本日の曲は「ピアノ協奏曲第2番」です。1972年、作曲者47歳の時に作曲されました。単一楽章の曲(ブックレット参照)とのことですが、3つの部分に分かれており、伝統的な三楽章形式と対応しています。第1部、ピアノが奏でる主題、カッコいいですね!ジャズの影響も入っているのではないでしょうか、複雑なリズムと和声、そして高難度な技巧がピアニストには求められています。第2部は静かな音楽。出身のマリの音楽・雰囲気がエシュパイさんを通してこの部分に滲み出ているように感じます。第3部は第1部と同じく、激しく複雑なリズムとメロディが交錯する激しい音楽で始まります。聴衆を熱狂の渦へと巻き込んだ後、オーケストラがファンファーレのようなメロディを奏でた後、そのメロディをピアノが引き継ぎますが、一転して静かに進行します。ピアノがぽつぽつとつぶやき、やがて、第1部の最初の主題が再現され、荒々しいリズムの中、急転直下で終曲となります。
本日は独奏ピアノは作曲者自身の演奏でどうぞ。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
エシュパイ、アンドレイ:ピアノ協奏曲第2番