一日一曲(1087)マルトー、アンリ:24のカプリースより第15番「Caprice Viennois」

 本日は、生誕150年(1874年5月31日生)を迎えらえたフランス出身でスウェーデンに帰化したヴァイオリニスト兼作曲家、アンリ・マルトーさんの曲をご紹介します。

 マルトーさんは、クララ・シューマンに学んだピアニストの母親と名の知れたアマチュアのヴァイオリン演奏家だった父親のもとに生まれました。幼少期からヴァイオリンに興味を示し、音楽を愛する両親の奨めで、フランス国内で音楽を学んだ後、10歳でハンス・リヒターの指揮するウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演して公式デビューを果たし、さらにドイツ各地とスイスで演奏旅行を行ないました。1888年には、やはりリヒターとの共演でロンドン・デビューを果たしています。1892年にパリ音楽院で首席となり、マスネから作品を献呈されています。1893年と1898年にはアメリカ合衆国で、1897年から1899年までロシア帝国で演奏活動を行なっている。20世紀に入ってからは教育活動に専念し、まずジュネーヴ音楽院で教鞭を執った後、1907年にはベルリン高等音楽学校のヴァイオリン科主任教授に選任されて後進の指導にあたられました。第一次世界大戦が勃発して、母国フランスと第二の祖国ドイツが戦火を交えるに至ると、スウェーデンに渡り、同地でスカンディナヴィア楽壇の発展に貢献されました。

 本日の曲は24のカプリースの中から第15番「Caprice Viennois」です。「24のカプリース」というと、鬼才パガニーニの同名の曲が有名で、特に第24番のメロディは数多の作曲家が主題を借用して変奏曲を創っているほど、魅力的な曲です。どうしてもパガニーニ以降はこの題名をつけると、同曲と比較されてしまいます。そんな中で度胸良く?マルト-さんは本曲を作曲して題名をつけられたということになります。内容はヴァイオリンの超絶技巧を凝らしているというところは共通していますが、メロディなどの共通性はありません。第24番の変奏があるかなあ、と思って聴いてみましたが、ありませんでした。また、パガニーニの作品は無伴奏ヴァイオリン曲ですが、本曲はピアノ伴奏付きの曲となっています。
 本日はその中から第15番「Caprice Viennois」をどうぞ。本曲は20世紀を代表するヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーを意識して作られたようです。本曲を演奏しているヴァイオリニストは小池星花さん。1996年に宮城県生まれで、2016年からはドイツに住んでいるとのことです。本日の演奏の録音は2017年ですから、21歳の時の演奏ということになります。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マルトー、アンリ:24のカプリースより第15番「Caprice Viennois」

マルトー、アンリ:24のカプリースより第15番「Caprice Viennois」(CD)

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