一日一曲(1312)グリエール、レインゴリト:25の前奏曲
本日は、生誕150年(1875年1月11日生)を迎えらえたロシアの作曲家、レインゴリト・グリエールさんの曲をご紹介します。
グリエールさんは現ウクライナの首都であるキーウで生まれました。父親はドイツ人の楽器職人で、母親はピアノをよくしたポーランド人だったそうで、生粋のロシア人というわけではなかったとのことです。モスクワ音楽院で作曲を学び、1901年よりしばらくベルリンに留学しました。ベルリンでは作曲の研究のかたわら、ベートーヴェンやマーラー作品の解釈で知られた指揮者オスカー・フリートに指揮法を師事。また、1902年〜1903年頃、師匠セルゲイ・タネーエフからの指示でまだ少年のプロコフィエフの許に赴いて作曲法の手ほどきをしたそうです。モスクワ音楽院で1920年から1941年まで教鞭を執り、プロコフィエフやハチャトゥリアン、リャトシンスキーら多くの作曲科を育て、ロシア音楽の礎を強化されました。1938年から1948年までソ連作曲家同盟組織委員会の議長の要職を務められています。をつとめた。1956年にモスクワで81歳で亡くなられました。
本日の曲はピアノ独奏曲集「25の前奏曲」です。1907年、作曲者32歳の時の作品です。通常は24ある調性を一つずつ使用した「24の前奏曲」という形をとることが多いのですが、本曲集は1曲多く、ハ長調の第1番で始まり、最後にまたハ長調に戻ってくるという形となっています。まあ、『24の前奏曲集』と同ジャンルとみなしてよいと思います。ラフマニノフの同期であったという影響もあるのでしょうか、全体的に分厚い和音で技巧的かつロマンティックな作品が多く見受けられます。個人的な好みでは、第1番、第9番といったところが推しです。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
グリエール、レインゴリト:25の前奏曲