一日一曲(1895)マロッタ、エラスモ:神は偉大な光を二つ、お造りになった
本日は、生誕450年(1576年2月24日生)を迎えらえたイタリアの作曲家、エラスモ・マロッタさんの曲をご紹介します。
【エラスモ・マロッタ:シチリア島出身でローマの貴族たちを魅了し、のちにイエズス会士として情熱的な宗教音楽を追い求めた修道士作曲家】
エラスモ・マロッタ(Erasmo Marotta)は、1576年2月24日にシチリア島のランダッツォ(カターニャ近郊)で生まれました。幼少期から卓越した音楽の才能を示した彼は、若くして音楽の都ローマへ渡ります。そこでの本格的な修行を経て聖職者としての授任を受けるとともに、優れた歌唱力と高い作曲技術によって多くの枢機卿や貴族たちから熱烈な評価を獲得しました。1600年にはトルクアード・タッソの詩に基づく牧歌劇『アミンテ』の音楽化作品を出版し、牧歌劇の発展において重要な足跡を残します。
1610年、マロッタは自らの深い信仰心と音楽的才能を融合させるべくイエズス会に入会し、1612年にはメッシーナのイエズス会学院長に就任しました。イエズス会士としての彼は、聴き手の感情や想像力を刺激する劇的な宣教・教育効果を音楽に求め、1613年にはシチリア島で初めて通奏低音(バッソ・コンティニュオ)を伴う受難曲の唱法を導入するという画期的な試みを行いました。
過度な不協和音を避けた美しく明解な対位法で民衆の心を掴み、対抗宗教改革期のイタリア音楽表現に大きく貢献した彼は、1641年10月6日にパレルモにて65年の生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:神は偉大な光を二つ、お造りになった】
17世紀前半に発表された本作品は、イエズス会の創始者である聖イグナチオ・デ・ロヨラと、同会の偉大な伝道者である聖フランシスコ・ザビエルを讃える宗教的モテット(声楽曲)です。 タイトルと楽曲前半の歌詞は旧約聖書『創世記』の「神は二つの大きな光をお造りになった(太陽と月)」という記述に基づいており、曲中では聖イグナチオを「大きな光(太陽)」、聖フランシスコ・ザビエルを「小さな光(月)」に例えてその功績を称えています。 イエズス会の教育的・布教的アプローチを反映し、聴き手が歌詞を聞き取りやすく親しみやすいように、明解で規則的な音楽構成が採用されているのが特徴です。
【聴きどころ】
1)聖人たちを「太陽と月」に見立てる鮮やかな表現
聖イグナチオと聖フランシスコ・ザビエルを太陽と月に見立てて讃える緻密な歌詞と、それを引き立てる情熱的で劇的な旋律の対比が大きな魅力です。
2)明解で親しみやすいバロック様式
複雑すぎる対位法や聴き手を混乱させるような不協和音をあえて避け、旋律の美しさと歌詞の伝わりやすさを重視した明瞭な構成になっています。
3)華やかで祝祭感あふれる「アレルヤ」の結び
曲の締めくくりに置かれた「アレルヤ」パートでは、天上の天使たちとともに聖人の栄光を祝福するかのような、伸びやかで祝祭感に満ちた歌唱を楽しむことができます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マロッタ、エラスモ:神は偉大な光を二つ、お造りになった
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