一日一曲(1789)ベイカー、ジョン・ベヴァン:春
本日は、生誕100年(1926年月日生)を迎えらえた(国名)の作曲家、(作曲者名)さんの曲をご紹介します。
【ジョン・ベヴァン・ベイカー:スコットランドの豊かな自然と風土を愛し、その情景を温かく繊細な旋律で描き出した20世紀の抒情派】
ジョン・スチュアート・ベヴァン・ベイカー(John Stewart Bevan Baker)は、1926年5月3日にイングランドのミドルセックス州ステインズで、数学者の父とスコットランド出身の母のもとに生まれました。王立音楽大学(RCM)でラルフ・ヴォーン・ウィリアムズらに師事し、1949年にはウェストミンスター寺院のオルガニスト助手を務めるなど、早くから音楽的才能を現しました。
彼の音楽人生の大きな転換点は、1958年に母の故郷であるスコットランドのアバディーンへ移住したことでした。1960年にジューン・フィンドレイと結婚し、5人の子供に恵まれた彼は、ハイランド地方のブラック・アイルにあるフォートローズへ移住します。地元の学校の音楽教師として熱心に後進を指導しながら、地域の合唱団やオーケストラのため、そして愛する家族のために数多くの作品を書き上げました。彼の音楽には、スコットランドの伝統音楽の色彩と、北地の澄んだ空気感が美しく反映されています。教育者としても作曲家としても地域に深く根ざした活動を続け、多くの人々に慕われながら1994年6月24日にその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:春】
1983年に作曲された、無伴奏ヴァイオリンのための独奏曲です。ジョンの長女であるヴァイオリニスト、サラ・ベヴァン・ベイカーによる演奏が、この曲の持つ親密な魅力をさらに引き立てています。
本日は、そのサラ・ベヴァン・ベイカー演奏版でお聴きください!
【聴きどころ】
1)冬から春への移ろい
伴奏のないヴァイオリン一挺だけで、冷たい空気の中に春の柔らかな兆しが芽吹く様子が見事に描かれています。無駄を削ぎ落とした旋律が、季節の鼓動をダイレクトに伝えます。
2)伝統に根ざした叙情性
スコットランドの民俗音楽を彷彿とさせる音階やリズムが随所に散りばめられています。素朴でありながら洗練された響きは、聴く人の心に穏やかな安らぎを与えてくれます。
3)父と娘の音楽的な対話
サラ・ベヴァン・ベイカーによる録音では、作曲者である父の意図を汲み取った、繊細で愛情深い表現を聴くことができます。楽器の音色一つひとつに込められた深い信頼関係が感じられます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ベイカー、ジョン・ベヴァン:春
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