一日一曲(1372)ヴィニェス、リカルド:4つのオマージュより第1曲
本日は、生誕150年(1875年2月5日生)を迎えらえたスペインのピアニスト、リカルド・ヴィニェスさんの曲をご紹介します。
ヴィニェスさんはスペイン東部のカタルーニャ地方の街リェイダで生まれました。パリ音楽院でピアノを中心に作曲、和声法などを習得しました。同期生には昨日までご紹介した同じ年のラヴェルがいて、彼に多くの書籍を教えたり、芸術サークル「アパッシュ」に一緒に参加したりするなど、ラヴェルに対して大きな影響を与えました。ラヴェルのピアノ曲の多くはヴィニェスさんが初演しています(『古風なメヌエット』(1898年初演。以下、作曲年ではなく初演年を記す)、『グロテスクなセレナード』(1901年)、『水の戯れ』および『亡き王女のためのパヴァーヌ』(1902年)、『鏡』(1906年)、『夜のガスパール』(1909年))。『古風なメヌエット』と、『鏡』第2曲「悲しい鳥たち」はヴィニェスさんに献呈されています。ただ、ラヴェルはヴィニェスさんの自作の解釈はあまり好まれなかったそうです。ヴィニェスさんはラヴェルの他、ドビュッシー、アルベニス、サティ、ファリャ、セヴラックなどの作品も初演されています。ピアニストとして名声を博したほか、教育の面でも作曲家プーランクのピアノの師匠としても知られています。作曲に関しては、ピアノの小品をいくつか遺されていらっしゃいます。
本日の曲はピアノ独奏曲「4つのオマージュ」より第1曲です。本曲は「モーリス・ラヴェルの思い出」という副題が付けられています。優しく、温かく、そして少し物悲しい曲です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ヴィニェス、リカルド:4つのオマージュより第1曲