一日一曲(1904)マルケッティ、フェルモ・D:魅惑のワルツ
本日は、生誕150年(1876年8月28日生)を迎えらえたイタリア生まれでパリで活躍した作曲家、フェルモ・D・マルケッティさんの曲をご紹介します。
【フェルモ・D・マルケッティ:優美な旋律で世界中を虜にした、20世紀初頭サロン音楽の世界的ヒットメーカー】
フェルモ・ダンテ・マルケッティ(Fermo Dante Marchetti)は、1876年8月28日にイタリアのトスカーナ州マッサ=カッラーラ県で生まれました。幼少期から音楽的才能を示したマルケッティはヴァイオリンを学び、演奏家および作曲家としての道を歩み始めます。その後、ヨーロッパ各地で活躍の場を広げ、音楽の中心地であったフランスのパリへ移住しました。
パリではミュージックホール「エリゼ・パレス」などでヴァイオリニストとして演奏活動を行いながら、カフェ・コンセールやサロン向けの舞曲、歌曲を数多く手がけるようになります。1904年、彼はピアノ独奏曲『ツィガーヌのワルツ(Valse Tzigane)』を作曲・出版しました。この楽曲に翌1905年、モーリス・ド・フェラーディが作詞を行った歌曲版『Fascination(魅惑のワルツ)』が大きな話題を呼び、当時のパリを中心に爆発的なヒットを記録します。
その後もサロン音楽や軽音楽の分野で作曲活動を続け、独自の出版会社を立ち上げるなど精力的に活動を行いました。ヨーロッパのポピュラー音楽界に優美な旋律美を残したマルケッティは、1940年6月11日、パリにて63歳でその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:魅惑のワルツ(Fascination)】
1904年にピアノ独奏曲『ツィガーヌのワルツ』として発表され、1905年にフランス語の歌詞が付けられたワルツです。
発表当初からシャンソン歌手ポーレット・ダーティの歌唱などで親しまれていましたが、1950年代にディック・マニングによる英語詞が付けられたことで世界的に再ヒットしました。さらに1957年、ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘプバーン主演の映画『昼下がりの情事(Love in the Afternoon)』のメインテーマとして使用されたことで不動の名曲となり、現在でもジャズやポップス、イージーリスニングなどジャンルを超えて広く愛され続けています。
【聴きどころ】
1)心に残る優美でノスタルジックなメロディ
一度聴いたら忘れられない、旋律が優雅に舞うような美しいラインが特徴です。哀愁漂うトスカーナ調の甘美さと、パリのサロン文化が融合した上品でノスタルジックな旋律美を味わうことができます。
2)3拍子のワルツ・リズムが生む心地よい浮遊感
ゆったりとした3拍子のリズムに乗せて展開される旋律が、まるでダンスフロアで優雅にステップを踏んでいるかのような心地よい浮遊感とロマンチックな情景を演出します。
3)幅広い編成によるアレンジの多彩さ
ピアノ独奏やヴァイオリンによるクラシカルな演奏から、ジャズ・トリオ、ストリングス・オーケストラまで、時代やジャンルによって趣の異なる多種多様なアレンジを楽しめる点も大きな魅力です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マルケッティ、フェルモ・D:魅惑のワルツ
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