一日一曲(846)スクロヴァチェフスキ、スタニスラフ:架空のパッサカリア
本日は、生誕100年(1923年10月3日生)を迎えらえたポーランドの指揮者兼作曲家、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキさんの曲をご紹介します。スクロヴァチェフスキさんは、本年(2023年)7月25日にも取り上げていましたね。その際は、生誕100年という点をうっかりしていました。
スクロヴァチェフスキさんは、ポーランドのルヴフ(現在はウクライナのリヴィウ)で生まれ。4歳でピアノとヴァイオリンを始め、7歳でオーケストラのための作品を作曲したとのことです。さらに、11歳でピアニストとしてリサイタルを開き、13歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を弾き振りするなど、神童ぶりを発揮されたそうです。けれども第二次世界大戦中の1941年、18歳の時にドイツ軍の空襲によって自宅の壁が崩れて手を負傷、ピアニストの道を断念することとなりました。その後は作曲と指揮に専念し、活躍しました。
亡くなられたのは2017年、93歳でした。少なくとも2011年までは現役で指揮をされていらっしゃったようで、そうすると88歳もしくは87歳ということになります。長く活躍されたようですね。
本日の曲は、1995年10月、スクロヴァチェフスキさん72歳の時に作曲されました。パッサカリアというのは、一定の音型を繰り返し繰り返し演奏する低音部に支えられて主題を様々に変奏していく曲でして、通常は3拍子の短調で書かれます。本曲はまさにそのような曲で、結構重々しい雰囲気です。楽譜を分析しながら鑑賞すると面白いのかもしれませんが、単に聴くだけですと、なかなか初心者にはとっつきにくい曲ではないかと思います。
本日は作曲者自身の指揮でどうぞ。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
スクロヴァチェフスキ、スタニスラフ:架空のパッサカリア