一日一曲(1919)フィリドール、ピエール・ダニカン:オーボエと通奏低音のための5つの組曲集第1巻-第5番ト短調
本日は、フィリドール一族ご紹介の4日目として、昨日ご紹介したジャック・ダニカン・フィリドールの長男であり、王室室内楽団の名手として活躍したピエール・ダニカン・フィリドールさんを取り上げます。
【ピエール・ダニカン・フィリドール:偉大な一族の血筋を受け継ぎ、太陽王ルイ14世とルイ15世の宮廷を洗練されたオーボエとフルートの響きで彩った室内楽の大家】
ピエール・ダニカン・フィリドール(Pierre Danican Philidor)は、1681年8月22日にフランスのパリで生まれました。名門音楽一族の一員として、父ジャックや伯父アンドレから手厚い音楽教育を受けて育ち、若くして管楽器の類稀なる才能を開花させます。
1697年、わずか16歳ほどで王室軍楽隊(Grande Écurie)のオーボエ奏者に任用されると、1704年にはヴェルサイユ宮廷の「王室室内楽団(Musique de風/Chambre du Roi)」のメンバーに抜擢されました。彼はオーボエのみならず、当時フランス宮廷で大流行していたフラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)やバイオリンの演奏にも長けており、ルイ14世や続くルイ15世のプライベートな音楽会において、室内楽奏者として非常に重宝されました。
1717年から1718年にかけて、彼は自身の代表作となる「オーボエ、フルート、バイオリンのための組曲集」を出版し、フランス古典バロック室内楽の洗練された意匠を世に示します。宮廷の第一線で長年にわたり管楽器奏者および作曲家として高い評価を受け続けた彼は、1731年9月1日にヴェルサイユにてその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:オーボエと通奏低音のための5つの組曲集第1巻-第5番ト短調(1717年出版)】
1717年にパリで出版されたコレクションの第1巻(作品1)に収められた舞曲形式の組曲です。オーボエ(またはフラウト・トラヴェルソ)と通奏低音のために書かれており、フランス宮廷特有の優美で繊細な装飾音と、ト短調ならではの情熱的で少し哀愁を帯びたメロディが絶妙に調和した傑作です。
【聴きどころ】
1)フランス風舞曲の色彩豊かなコントラスト
前奏曲(プレリュード)に始まり、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジグといった多様な宮廷舞曲が連なり、テンポや表情の鮮やかな対比を楽しむことができます。
2)主旋律と通奏低音による優美な対話
ソロ楽器の伸びやかな旋律に対し、低音パートが単なる伴奏にとどまらず、旋律に寄り添うように緻密で立体的な対話(ポリフォニー)を繰り広げます。
3)哀愁を帯びた優美な気品と高度な装飾性
ト短調が持つ独特の陰影と、バロック期のフランス宮廷スタイル特有の細やかな装飾音(トライユ等)が美しく組み合わされ、気品漂う深みのある音楽世界を作り出しています。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フィリドール、ピエール・ダニカン:オーボエと通奏低音のための5つの組曲集第1巻-第5番ト短調
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