一日一曲(1763)デル・リエゴ、テレサ:Homing

 本日は、生誕150年(1876年4月7日生)を迎えらえたイギリスの作曲家、テレサ・デル・リエゴさんの曲をご紹介します。

【テレサ・デル・リエゴ:20世紀初頭の英国で絶大な人気を誇り、人々の郷愁を誘う美しい旋律で一世を風靡した歌の女王】
 テレサ・デル・リエゴ(Teresa del Riego)は、1876年4月7日、ロンドンのサウス・ケンジントンに誕生しました。スペイン人の父と英国人の母を持つ彼女は、幼少期から音楽の才能を現し、ウェスト・ロンドン音楽学校にてピアノ、歌唱、作曲を学びます。わずか10代で自作曲が出版されるなど、早くからその作才は注目を集めていました。
 彼女のキャリアを決定づけたのは、1902年に発表した「Homing」や「O Dry Those Tears」といった歌曲の爆発的なヒットです。特に後者は数百万枚の楽譜やレコードを売り上げ、当時の名歌手たちがこぞってレパートリーに加えるほど、彼女の名は英国中に響き渡りました。1908年に結婚し公私ともに充実した時期を過ごしますが、第一次世界大戦で夫を亡くすという悲劇に見舞われます。
 しかし、彼女は悲しみに暮れるだけでなく、戦時中は慈善活動やコンサートの企画に尽力し、音楽を通じて社会を励まし続けました。彼女の作品は、明快で抒情的な旋律と、聴き手の感情を優しく包み込むような温かさが特徴です。長年にわたり英国音楽界の重鎮として敬愛され続け、1968年1月23日、ノーフォークのコンタムにて91歳でその天寿を全うしました。

【本日のご紹介曲:Homing】
 1902年に発表されたこの曲は、デル・リエゴの代表作の一つであり、現在も英語圏の歌曲集に欠かせないスタンダードな一曲です。アーサー・L・サーモン(Arthur L. Salmon)の詩に基づいたこの曲は、旅路の果てに愛する場所や家族のもとへ帰る「帰郷」の情景を描いています。
 デル・リエゴの旋律は、言葉の一つひとつを慈しむように紡がれており、その抒情的な美しさは、聴く人の心に深い郷愁を呼び起こします。当時の家庭内での演奏(パーラー・ミュージック)としても広く愛され、彼女の地位を揺るぎないものにした名曲です。

【聴きどころ】
1)心に染み入るメロディの美しさ
 冒頭から流れる穏やかで気品のある旋律は、非常に親しみやすく、一度聴くと耳に残る優しさに満ちています。
2)感情の繊細な高まり
 「帰郷」というテーマに向けて、曲の後半にかけて徐々に熱を帯びていく構成になっており、静かな感動を呼び起こします。
3)言葉と音楽の調和
 詩の内容に寄り添った繊細なピアノ伴奏と歌唱が一体となり、情景が目の前に浮かび上がるような音楽表現を味わうことができます。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デル・リエゴ、テレサ:Homing

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