一日一曲(1800)グッリン、ラーシュ:Danny’s Dream
本日は、没後50年(1976年5月17日没)を迎えらえたスウェーデンの作曲家兼バリトン・サックス奏者、ラーシュ・グッリンさんの曲をご紹介します。
【ラーシュ・グッリン:北欧の冷涼な空気感と、内省的な歌心をバリトン・サックスに宿した孤高の詩人】
ラーシュ・グッリン(Lars Gullin)は、1928年5月4日、スウェーデンのゴットランド島ヴィスビューに生まれました。当初はクラシックのピアノやクラリネットを学びましたが、兵役中にバリトン・サックスへ転向したことが彼の運命を決定づけました。
1950年代初頭からストックホルムを拠点に活動し、アメリカのクール・ジャズの影響を受けつつも、スウェーデン民謡に根ざした哀愁漂う旋律美を融合させた独自のスタイルを確立。1954年にはアメリカのジャズ専門誌『ダウン・ビート』誌の批評家投票で、アメリカ人以外では初となる最優秀新人賞を受賞し、国際的な名声を得ました。
しかし、その輝かしいキャリアの裏で長年薬物依存症に苦しみ、活動の停滞を余儀なくされた時期もありました。しかし、1960年代後半から見事に復活を遂げ、晩年は管弦楽を交えた壮大な作曲も手掛けるなど、音楽家としての円熟を見せました。
1976年5月17日、心不全のためスウェーデンのヴェンメルスレーヴにて48歳の若さで急逝。その没後は「ラーシュ・グッリン協会」が設立され、北欧ジャズの象徴として今なお愛され続けています。
【本日のご紹介曲:Danny’s Dream】
1953年に生まれた長男ダニエルのために書かれた、彼のキャリアを代表する名曲です。
【聴きどころ】
1)バリトン・サックスの概念を覆す歌心
重厚な楽器でありながら、チェロのように繊細で柔らかい音色による主題提示が胸を打ちます。
2)北欧の抒情的なメロディ
単なるジャズ・バラードに留まらない、スウェーデンの冷たく澄んだ空気を感じさせる旋律美が特徴です。
3)計算されたカルテットの静寂
ギターとバリトン・サックスの対話が美しく、一音一音を大切に紡ぐ構成の妙が際立っています。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
グッリン、ラーシュ:Danny’s Dream
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