一日一曲(508)J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012(R. ポッジャーによるヴァイオリン編)

 本日は、最近聴いたアルバムの中からとても感動した演奏を紹介します。

 曲はJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲なのですが、もともと無伴奏のチェロの曲をヴァイオリン用に編曲した演奏です。
演奏者は、レイチェル・ポッジャーさん。ポッジャーさんは古楽アンサンブル「フロリレジウム」や、イングリッシュ・コンサートのコンサートマスターなど古楽界の最前線で活躍されていらっしゃいます。
 チェロとは違った趣があります。原曲も素晴らしいですが、ヴァイオリン編も魅力的です。透明感のある、伸びやかな音が印象的な演奏です。
 組曲は全部で6曲あり、どれも甲乙つけがたいですが、本日は最後の第6番をご紹介します。普通のチェロは4弦なのですが、第6番は5弦のチェロのために作曲されました。「現在では普通のチェロ」で演奏されることがもっぱらなので、演奏は相当困難なものになります。時折、「無伴奏チェロ組曲全曲演奏会」が企画されることがありますが、5番まで弾いてかなり疲労度が高まっている最後に、最難関の曲が待ち構えているという、演奏者にとってはまさに「鬼門」の曲と言えます。
 バッハがどんな思いでこの曲を書かれたかは知る由もありませんが、このご時世だからでしょうか、私には平和への祈りや希望が込められているように強く感じます。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV1012(R. ポッジャーによるヴァイオリン編)

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