一日一曲(1812)デイヴィス、マイルス :Donna(Donna Lee)
本日は、生誕100年(1926年5月25日生)を迎えらえたアメリカの作曲家兼トランペット奏者、マイルス・デイヴィスさんの曲をご紹介します。
【マイルス・デイヴィス:20世紀音楽の巨人の一人であり、絶えず変化を求めジャズの新たな革新をリードし続けた伝説的トランぺッター】
マイルス・デューイ・デイヴィス(Miles Dewey Davis)は、1926年5月25日にアメリカ合衆国イリノイ州アルトンで誕生しました 。13歳の誕生日に父親からトランペットを贈られたことでそのキャリアが始まります。高校卒業後の1944年9月にニューヨークのジュリアード音楽院に入学しますが、数ヶ月で退学し、52丁目のクラブで憧れのチャーリー・パーカーを探し回る道を選びました。
1945年にレコーディングデビューを果たした当初、彼の技術はまだ未熟でしたが、パーカーはその潜在能力を認め、自身のレコーディングに彼を起用します。マイルスは、当時の主流であったディジー・ガレスピーのような演奏は自分には不可能だと悟り、音数を絞り、沈黙(スペース)を効果的に使う独自の「クール」なスタイルを確立させていきました。
1948年には、フレンチホルンやチューバを加えた九重奏団(ノネット)を結成し、後に『クールの誕生(The Birth Of The Cool)』として知られる歴史的な録音を行います。1950年代初頭は薬物依存に苦しむ「失われた時代」もありましたが、それを克服。1954年のニューポート・ジャズ・フェスティバルでの「’Round Midnight」の演奏で劇的なカムバックを果たしました。
その後、ハード・バップ、モード・ジャズ、フュージョンといった新しいスタイルを次々と創出し、ジャズ界で最も有名かつ興味深いミュージシャンであり続けました。1991年9月28日、65歳でこの世を去りました。
【本日のご紹介曲:『Donna』(Donna Lee)】
本曲は、1952年5月9日に「マイルス・デイヴィス・オールスターズ」によって録音されました。一般的には『Donna Lee』として広く知られていますが、この録音セッションにおいては『Donna』(別名『Dig』)として記録されています。本資料では、本曲が「スウィート・ジョージア・ブラウン(Sweet Georgia Brown)」のコード進行を利用して作られていることが明記されています。この時期のマイルスは、クール・ジャズから、より情熱的なスウィングを強調する「ハード・バップ」という新しいスタイルへと移行しており、本曲はその初期の重要な例の一つとされています。
本日は、トランペットは作曲者(自作自演)、バックはご自身で組織されたマイルス・デイヴィス・オール・スターズ(Miles Davis All Stars)の演奏でどうぞ!
【聴きどころ】
1)ハード・バップの黎明期を告げる演奏
クール・ジャズの抑制された表現から一歩踏み出し、より力強く情熱的にスウィングする「ハード・バップ」特有の躍動感に注目してください。
2)若きモダン・ジャズの精鋭たちとの共演
ジェイ・ジェイ・ジョンソン(トロンボーン)やジャッキー・マクリーン(アルト・サックス)といった、当時の若手スターたちによる瑞々しいアンサンブルが楽しめます。
3)洗練されたアドリブ・ライン
「スウィート・ジョージア・ブラウン」というスタンダードな名曲のコード進行を下敷きにしながら、マイルスたちがどのように新しい旋律を構築しているかが聴き所です。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
デイヴィス, マイルス :Donna(Donna Lee)
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