一日一曲(1852)フォスター、スティーヴン・コリンズ:故郷の人々(スワニー河)

 生誕200年(1826年7月4日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、スティーヴン・コリンズ・フォスターさん特集の二日目です。

【スティーヴン・コリンズ・フォスター:激動のアメリカを美しい旋律で満たし、人々の心に永遠の郷愁を植え付けた孤高のメロディメーカー】
 
【第2日】『故郷の人々』 (Old Folks at Home) ~ 世界中の人々の心に「郷愁」を植え付けた、フォスターの最高傑作 ~
 『おおスザンナ』の大ヒットにより、音楽で生計を立てる自信を得たフォスターは、1850年にペンシルベニアへ戻り、正式にニューヨークの楽譜出版社と契約を結んでアメリカ初となる「専業作曲家」となりました。同年にはピッツバーグ市長の主治医の娘であったジェーン・マクダウェルと結婚し、公私ともに最も充実した黄金期を迎えます。そして翌1851年、彼の生涯で最も成功し、最も多くの印税をもたらすことになる『故郷の人々』(別名:スワニー河)を発表しました。この曲は、当時流行していた「ミンストレル・ショー」(白人が顔を黒く塗って黒人に扮する大衆芸能)の劇中歌として書かれましたが、その根底にある「遠く離れた故郷と母親を恋うる心」は、人種や国境を超えてあらゆる人々の涙を誘いました。この曲の大ヒットにより、フォスターの名声は不動のものとなります。のちにこの楽曲は、アメリカ・フロリダ州の正式な「州歌」に指定されることになりますが、驚くべきことにフォスター自身は生涯一度もフロリダ州を訪れたことがなく、スワニー河の実物を見たこともありませんでした。

【本日のご紹介曲:『故郷の人々(スワニー河)』】
 1851年に作曲された、世界中で愛唱されている抒情歌曲の最高峰です。日本語では「はるかなるスワニー河、岸辺はるかに……」という訳詞でも広く親しまれています。

【聴きどころ】
1)胸を締め付けるような切ない弱起(アウフタクト)のメロディ
 冒頭のフレーズが、拍子の手前から優しく滑り出すように始まります。この最初の数音だけで、聴き手を一気にノスタルジックな故郷の情景へと引き込む魔力があります。
2)素朴な民俗楽器を思わせる伴奏の味わい
 ギターやバンジョーを優しく爪弾くような、シンプルで飾らない伴奏の響きが、歌い手の飾らないソウル(魂)を一層引き立てています。
3)サビ(中間部)での感情の高まりとリフレイン
 「世界をいくら旅しても、私の心は悲しみに沈む」という中間部で一度旋律がドラマチックに上昇し、再び冒頭の静かな旋律へと戻っていく構成が、深い余韻を残します。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フォスター、スティーヴン・コリンズ:故郷の人々(スワニー河)

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