一日一曲(1853)フォスター、スティーヴン・コリンズ:ソワレ・ポルカ

 生誕200年(1826年7月4日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、スティーヴン・コリンズ・フォスターさん特集の三日目です。

【スティーヴン・コリンズ・フォスター:激動のアメリカを美しい旋律で満たし、人々の心に永遠の郷愁を植え付けた孤高のメロディメーカー】

【第3日】『ソワレ・ポルカ』 (Soirée Polka) ~ 若きフォスターが描いた、華やかな夜会のステップ ~
 フォスターは優れた歌曲の作曲家として知られますが、彼がプロとしてのキャリアをスタートさせた1850年前後、アメリカの家庭やサロンではピアノを中心とした器楽音楽の需要が急速に高まっていました。当時、ヨーロッパから輸入された「ポルカ」や「ショティッシュ」といった軽快なダンス音楽がアメリカ全土で大流行しており、フォスターもまた、こうした時代のニーズに応えるために魅力的なピアノ独奏曲をいくつか書き残しています。その代表作が、1850年2月に出版された『ソワレ・ポルカ』です。この楽譜は、当時のピッツバーグ市長であったダラス氏の親族であり、社交界の華であった女性「ミス・メアリー・M・ダラス」に献呈されました。フォスターは当時、地元の熱心な音楽愛好家グループ「五つの葉のクローバー(The Five Leaf Clover)」を結成し、友人たちの家で音楽の夜会(ソワレ)を開いては自作を披露していました。このピアノ曲には、若き日のフォスターが身を置いていた、温かく華やかなコミュニティの熱気がそのまま閉じ込められています。

【本日のご紹介曲:『ソワレ・ポルカ』】
 1850年に出版された、フォスターの貴重なオリジナル・ピアノ独奏曲です。「ソワレ」とはフランス語で「夜会」を意味し、当時のアメリカ市民社会の優雅な社交文化を伝える貴重な音楽的資料でもあります。

【聴きどころ】
1)ポルカならではの軽快でリズミカルなステップ
 19世紀半ばに世界中を席巻した2拍子のダンス「ポルカ」の躍動感が、ピアノの鍵盤上で鮮やかに跳ね踊ります。聴いているだけで思わず足でリズムを取りたくなる楽しさです。
2)歌曲の大家ならではの、歌うような中間部(トリオ)
 中間部に入ると、それまでの賑やかなダンスの伴奏から一転し、フォスターの歌曲を聴いているかのような、非常に甘美でなめらかな旋律がピアノによって「歌われ」ます。
3)上品なサロンの情景が浮かぶピアノの音色のきらめき
 高度な超絶技巧を要する曲ではなく、家庭のスクエア・ピアノ(当時普及していた小型ピアノ)で誰もが楽しく弾けるように書かれており、当時のアメリカの幸福な日常の空気が伝わってきます。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フォスター、スティーヴン・コリンズ:ソワレ・ポルカ

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