一日一曲(1854)フォスター、スティーヴン・コリンズ:金髪のジェニー

 生誕200年(1826年7月4日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、スティーヴン・コリンズ・フォスターさん特集の四日目です。

【スティーヴン・コリンズ・フォスター:激動のアメリカを美しい旋律で満たし、人々の心に永遠の郷愁を植え付けた孤高のメロディメーカー】

【第4日】『金髪のジェニー』 (Jeanie with the Light Brown Hair) ~ 愛する妻への想いと、私生活の苦悩から生まれた美しい哀歌 ~
 全盛期を迎えていたかに見えたフォスターですが、1850年代半ばに入ると、彼の人生には暗雲が立ち込め始めます。天才的なメロディメーカーであったものの、当時は著作権の保護制度が極めて脆弱で、楽譜がどれだけ売れても出版社の取り分が多く、作曲家本人に入る印税はごく僅かでした。さらに、浪費癖や金銭感覚の欠如、そして何よりも音楽性の違いや経済的な困窮から、愛する妻ジェーンとの関係が急速に悪化してしまいます。ついに1853年、妻は娘を連れて実家へ帰ってしまい、二人は別居生活に突入しました。この人生で最も孤独で苦しい精神状態の中にあった1854年、フォスターが妻ジェーン(Jane)を想って、その名前をもじって書き上げたのが『金髪のジェニー』です。歌詞には「あの楽しかった日々はどこへ行ってしまったのか、私は彼女の帰りを孤独に待ち続ける」という、彼の痛切な後悔と未練が赤裸々につづられており、彼の私生活のドラマと完全にシンクロしています。

【本日のご紹介曲:『金髪のジェニー』】
 1854年に作曲された、フォスターの中期を代表する極めて美しい抒情歌曲です。のちに多くのクラシック歌手やポピュラー歌手によってカバーされ、時代を超えて歌い継がれています。

【聴きどころ】
1)風に揺れる髪を表現したかのような、流麗なメロディライン
 タイトルの通り、愛する人の美しい金髪がそよ風になびく様子を連想させる、非常に繊細で、なだらかな起伏を持った美しい旋律が胸を打ちます。
2)後悔と憧れが交錯する、切ない和声(コード進行)の移り変わり
 明るい長調(メジャー・キー)を基調としながらも、随所にふっと影を落とすような切ない和音が混ざり合い、フォスターの揺れ動く心の痛みが音楽的に表現されています。
3)優しく、祈るような終止感
 曲の終わりに向けて、去っていった人への愛を静かに昇華させるような、祈りにも似た優しい消え入るような結びが、深い感動を与えてくれます。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フォスター、スティーヴン・コリンズ:金髪のジェニー

フォスター、スティーヴン・コリンズ:金髪のジェニー(CD)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

新時代の名曲名盤500+100 (ONTOMO MOOK) [ レコード芸術 ]
価格:2,640円(税込、送料無料) (2026/6/22時点)

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です