一日一曲(1886)グレイ、ジェリー:真珠の首飾り
本日は、没後50年(1976年8月10日没)を迎えらえたアメリカの作曲家、ジェリー・グレイさんの曲をご紹介します。
【ジェリー・グレイ:華やかなスウィング・ジャズ黄金期を陰で支え、洗練されたアンサンブルで全米を沸かせた名編曲家】
ジェリー・グレイ(本名:ジェネローソ・グラツィアーノ)は、1915年7月3日にアメリカ合衆国マサチューセッツ州イーストボストンで生まれました。音楽講師であった父親の影響で7歳からヴァイオリンを学び始めた彼は、神童として才能を発揮し、青年期にはボストン少年交響楽団のソリストを務めるなど、クラシックの基礎を確固たるものにしました。1930年代半ば、彼はポピュラー音楽の世界へと進出し、アーティ・ショウ率いる楽団に第一ヴァイオリニストとして参加します。ここで編曲の才能を開花させ、「ビギン・ザ・ビギン」などの大ヒットアレンジを手掛けました。そして1939年後半にアーティ・ショウの楽団が解散すると、翌1940年からはグレン・ミラー楽団へと移籍します。グレン・ミラーのもとで専属編曲家・作曲家として辣腕を振るい、「ペンシルベニア 6-5000」や「真珠の首飾り」など、楽団を象徴する名曲を次々と世に送り出しました。
第二次世界大戦中、グレン・ミラーが陸軍航空軍楽団を結成した際もグレイはこれに参加し、1944年にミラーが消息不明となった後は楽団の指揮を引き継いで演奏活動を続けました。戦後は自身のビッグバンドを結成したほか、ラジオやテレビの音楽監督として長年にわたり第一線で活躍を続けました。晩年はテキサス州ダラスのフェアモント・ホテルの専属楽団を率いるなど精力的に活動し、1976年8月10日、ダラスにて61歳でその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:真珠の首飾り(A String of Pearls)】
1941年にジェリー・グレイによって作曲・編曲され、1941年11月3日にグレン・ミラー楽団によって録音されたスウィング・ジャズの歴史的名曲です。 タイトルの通り、真珠がひとつずつ連なって美しい首飾りを作るように、管楽器の軽快なメロディやソロが心地よく受け継がれていく構成が魅力です。非常に華やかでありながらどこか気品が漂うアンサンブルは、ダンサーや音楽ファンを魅了し、全米チャートの1位を記録する大ヒットとなりました。
【聴きどころ】
1)洗練されたサックス・セクションの受け渡し
曲の冒頭から展開されるアルト・サックスのソロや、サックス奏者同士による2小節ごとのスピーディーなフレーズの掛け合い(チェンジ)は、計算し尽くされたスリリングな美しさがあります。
2)ボビー・ハケットによる名コルネット・ソロ
楽曲の中盤で登場するボビー・ハケットの12小節にわたるコルネット(ラッパに似た金管楽器)ソロは、ジャズ史に残る傑作演奏として知られており、曲全体に華やかなアクセントを与えています。
3)テナー・サックス同士の熱いバトル
曲中で展開されるアル・クリンクとベイブ・ラッシンという2人のテナー・サックス奏者による対話のようなソロの応酬は、管楽アンサンブルの一体感とスウィング感を最高潮に高めてくれます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
グレイ、ジェリー:真珠の首飾り
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