一日一曲(1881)ラウタヴァーラ、エイノユハニ:われらの時代のレクイエム
本日から5日間にわたって、没後10年(2016年7月27日没)を迎えらえたフィンランドの作曲家、エイノユハニ・ラウタヴァーラさんを特集いたします。
【エイノユハニ・ラウタヴァーラ:フィンランドの広大な自然と神秘的な天使の響きを融合させ、現代音楽に豊かな抒情性を取り戻した現代クラシック界の巨匠】
【生涯の歩み(第1部)】音楽との出会いと新古典主義の時代
エイノユハニ・ラウタヴァーラは1928年10月9日、フィンランドのヘルシンキで生まれました。オペラ歌手の父と医師の母という恵まれた環境で育ちましたが、10代で両親と死別するという深い悲しみを経験しました。彼はヘルシンキ大学で美学と文学を学びながら、シベリウス音楽院で名師アッレ・カルヤライネンらに作曲を師事しました。大きな転機となったのは1955年、名作曲家ジャン・シベリウスが自らの90歳記念奨学金の対象者として若きラウタヴァーラを選出したことです。これによりアメリカのジュリアード音楽院への留学を果たし、アーロン・コープランドやロジャー・セッションズの下で研鑽を積みました。1950年代の彼は、ストラヴィンスキーやバルトークの影響を受けた新古典主義的なスタイルを基調とし、明快な構造と若々しい情熱にあふれる作品を手掛けました。戦争の記憶と母への追悼を込めた初期の名作で国際的な注目を浴び、フィンランド音楽界の将来を担う新星として鮮烈なデビューを飾りました。
【本日のご紹介曲:『われらの時代のレクイエム(A Requiem in Our Time)』Op.3 (1953年作曲)】
若き日のラウタヴァーラが全米作曲コンクールで第1位を獲得し、一躍その名を世界に知らしめた金管・打楽器アンサンブルのための傑作です。第二次世界大戦直後の混乱と、若くして旅立った母への哀悼が楽曲の根底に流れています。宗教的なレクイエムの様式を借りつつも、金管楽器の力強い咆哮と哀愁を帯びた旋律が交錯し、初期の澄んだ新古典主義的造形美が遺憾なく発揮されています。
【聴きどころ】
1)金管アンサンブルの力強さと抒情性の対比
トロンボーンやホルンを中心とした金管セクションが奏でる鋭い不協和音と、ふっと現れる切なく美しい旋律の対比が強烈な印象を残します。
2)打楽器による緊迫したリズム展開
ティンパニや小太鼓などの打楽器群が効果的に用いられ、緊張感あふれるドラマティックな展開を生み出しています。
3)伝統と近代性が融合した緻密な対位法
古典的なバッハ的対位法の手法を取り入れながら、20世紀的な響きへと昇華させた構造美を堪能できます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
ラウタヴァーラ、エイノユハニ:われらの時代のレクイエム
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