一日一曲(1877)プリウーリ、ジョヴァンニ:6声のカンツォーナ第1番
本日は、没後400年(1626年没)を迎えらえたイタリアの作曲家、ジョヴァンニ・プリウーリさんの曲をご紹介します。
【ジョヴァンニ・プリウーリ:歴史の荒波を耐え抜き、200年の時を経て奇跡の復活を遂げた南ドイツの至宝を輝かせる、ヴェネツィア生まれの隠れた巨匠】
ジョヴァンニ・プリウーリは1575年頃、音楽の都イタリアのヴェネツィアに生まれました。若き日の活動には謎が多いものの、1600年から1605年にかけてサン・マルコ寺院のオルガニストであった巨匠ジョヴァンニ・ガブリエーリの助手を務め、のちに副オルガニストへと昇進しました。この時期に彼が吸収したヴェネツィア楽派の華やかな複合唱スタイルは、その後の彼の音楽の基盤となります。1614年か1615年頃に故郷を後にしたプリウーリはオーストリアへと渡り、ハプスブルク家の高貴なフェルディナント大公の宮廷楽長(上級カペルマイスター)に就任しました。1619年に大公がフェルディナント2世として神聖ローマ皇帝に即位すると、プリウーリも共に帝都ウィーンへと移り、宮廷の最高位の音楽家として絶大な信頼を得ることになります。彼はイタリアの先進的なバロック音楽をドイツ語圏の宮廷へともたらし、帝国の音楽文化の発展に多大な貢献を果たしました。ルネサンスからバロックへの過渡期を雄大に駆け抜けたプリウーリは、1626年にオーストリアのノインキルヒェンでその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:6声のカンツォーナ第1番
この作品は、プリウーリが残した器楽作品集の記念すべき第1曲です。もともとは複数の楽器のアンサンブル(合奏)のために書かれた多声楽曲ですが、ボベンタールに眠る歴史的なウプハウス・オルガンが持つ豊かな表現力によって、1台の楽器で見事に再現されています。ガブリエーリ譲りの華麗なヴェネツィアの響きが、現代に鮮やかによみがえります。
【聴きどころ】
1)弾むような「タ・タ・ター」のリズム
曲の冒頭、当時のカンツォーナの定番である「長・短・短」の特徴的なリズムを持った軽快なテーマで幕を開けます。この親しみやすいフレーズが耳に残りやすく、一瞬で音楽の世界に引き込まれます。
2)オルガン1台で魅せる「音の会話」と立体感
「6声」というタイトルの通り、独立した複数の旋律が複雑に絡み合いながら展開します。本来は複数の楽器で演奏される掛け合いの妙を、異なる音域や音色を巧みに使い分けることで再現しており、1台のオルガンでありながらまるで小さなオーケストラが目の前で対話しているかのような、圧倒的な立体感と厚みが味わえます。
3)圧倒的なクライマックス
曲の最後は、オルガンのすべてのパイプを鳴らす「オルガノ・プレノ(満管)」によって、胸のすくような壮大で輝かしい幕切れを迎えます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
プリウーリ、ジョヴァンニ:6声のカンツォーナ第1番
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