一日一曲(1772)フゼッラ、ガエターノ:秋の歌

 本日は、生誕150年(1876年4月16日生)を迎えらえたイタリアの作曲家、ガエターノ・フゼッラさんの曲をご紹介します。

【ガエターノ・フゼッラ:ナポリの伝統をヴァイオリンの音色に託した、南イタリアの抒情派】
 ガエターノ・フゼッラは、1876年4月16日にイタリアのナポリで、音楽が重要な役割を果たす家庭に生まれました。幼少期から神童として輝きを放ち、サン・ピエトロ・ア・マイエッラ音楽院の院長ピエトロ・プラターニアに認められ、名教師エウセビオ・ドヴォルザークに師事します。1894年には最高得点で卒業し、20歳に満たない若さでナポリの演奏会にて大成功を収め、「楽器の支配者」と賞賛されました。1896年にはエジプトからインド、ニューギニアに至る大規模な海外ツアーを敢行し、自作の「田舎の組曲」などを各地で演奏しました。その後、ドイツや北欧でも活躍し、1899年からの6年間はストックホルムに滞在してヴァイオリン学校を設立しています。1906年に帰国後は母校のヴァイオリン科教授に就任し、35年間にわたって後進を育成しました。リヒャルト・シュトラウスからその演奏を絶賛されるなど、演奏家・指導者としてナポリ音楽界の重鎮であり続けました。晩年は静かな生活を送り、1972年7月23日、100歳を目前にして故郷ナポリでその生涯を閉じました。

 ガエターノ・フゼッラさんについては、3年前に没後50年でご紹介しましたが、その時は没年月日を1973年8月28日とご紹介していました。今回、紹介曲の録音のブックレットから、正しい没年月日「1972年7月23日」が分かりましたので、こちらで訂正しておきます。

【本日のご紹介曲:秋の歌(Canto d’autunno)】
 この曲は1952年10月23日に書かれた作品で、フゼッラの「歌心」が凝縮された典型的なリート形式(A-B-A)の小品です。北欧での経験やナポリの抒情が混ざり合った、ノスタルジックな雰囲気が漂います。

【聴きどころ】
1)ヴァイオリンが主導するノスタルジックな旋律
 全編を通してヴァイオリンが主役となり、秋の情感を湛えた歌うようなメロディが展開されます。
2)ピアノによる繊細な対位法とシンコペーション
 ピアノがヴァイオリンに対して控えめながらも美しい助奏(コントラカント)を付け、穏やかなシンコペーションの伴奏が曲に深みを与えています。
3)晩年の円熟した抒情性
 70代後半に書かれたこの曲には、長いキャリアを経て到達した、シンプルながらも心に響くイタリア伝統の美学が息づいています。

NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
フゼッラ、ガエターノ:秋の歌

フゼッラ、ガエターノ:秋の歌(CD)

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