一日一曲(1775)マッテイ、ウリッセ:トッカータ「ファンファーレ」
本日は、生誕150年(1876年4月17日生)を迎えられたイタリアの作曲家兼オルガニスト、ウリッセ・マッテイさんの曲をご紹介します。
【ウリッセ・マッテイ:伝統的な歌心と近代的な超絶技巧を融合させ、イタリア・オルガン界を国際水準へと押し上げた孤高のヴィルトゥオーゾ】
ウリッセ・マッテイ(Ulisse Matthey)は、1876年4月17日にイタリアのトリノで、ジュゼッペとアミンタ・ペドッティの間に生まれました。5歳からピアノを学び、神童として社交界で注目を集めた後、トリノの音楽院で研鑽を積みました。教会のオルガンの音色に魅了されてオルガン奏者を志し、パルマ音楽院のアルナルド・ガリエラのもとで1900年7月4日に学位を取得しています。1901年にはロレートの聖家大聖堂の首席オルガニスト選考に合格し、1902年5月から長年その職を務めました。彼は現状に満足せず、パリへ渡って巨匠アレクサンドル・ギルマンに師事し、「古典から現代音楽まで完璧に弾きこなす才能溢れる芸術家」と高く評されました。1923年からはトリノ音楽院の教授として後進の指導にあたり、現代的なオルガン教育の確立や楽器の設計、バッハ作品の校訂など多方面で足跡を残しています。戦時中は空襲を避けて再びロレートに身を寄せましたが、心臓疾患により体調が悪化。そのような中、1947年7月6日に、長年の協力者であったマリア・アンコネターニと結婚しました。結婚式から数時間後、愛するロレートの地で波乱に満ちた生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:トッカータ「ファンファーレ」】
(作曲年:1930年頃出版)
この曲は、マッテイが追求した「管弦楽のような色彩豊かな響き」が凝縮された傑作です。当時のイタリア・オルガン界がオペラの影響から脱却し、純粋な器楽曲としての価値を高めていく中での象徴的な作品となりました。
【聴きどころ】
1)祝祭感を煽るトランペットの咆哮
曲の開始とともに、オルガンのストップ(音色選択)を駆使した輝かしい旋律が鳴り響きます。まさにファンファーレの名にふさわしい、空間を切り裂くような高揚感が最大の魅力です。
2)ピアノ技巧を応用した華麗なパッセージ
神童ピアニストとしての顔も持っていたマッテイらしく、オルガンの重い鍵盤を忘れさせるような軽やかで速い動きが随所に登場します。伝統的な奏法を超えた、近代的でスリリングな指さばきは圧巻です。
3)大聖堂を震わせる足鍵盤の重低音
手鍵盤の華やかな動きを支えるのは、足で操るペダルの重厚な響きです。緻密な和音の重なりとともに、オルガンという楽器が持つ圧倒的なスケール感と神秘性を肌で感じることができます。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
マッテイ、ウリッセ:トッカータ「ファンファーレ」
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