一日一曲(1724)カーペンター、ジョン・オールデン:ヴァイオリンソナタ
本日は、生誕150年(1876年2月28日生)を迎えらえたアメリカの作曲家、ジョン・オールデン・カーペンターさんの曲をご紹介します。
【ジョン・オールデン・カーペンター:アメリカのビジネス界で成功を収めながら、洗練された都会的センスでジャズや印象派を融合させた「実業家作曲家」】
ジョン・オールデン・カーペンターは、1876年2月28日にアメリカ合衆国イリノイ州パークリッジに生まれました。成功した実業家の父とプロの歌手の母を持ち、幼少期から充実した音楽教育を受けた彼は、ハーバード大学でジョン・ノウルズ・ペインに師事して作曲を学び、1897年に卒業します。その後は家業である船舶用品会社に入社し、1909年には副社長に就任。同じアメリカの作曲家チャールズ・アイヴズと同様、ビジネスの最前線に身を置きながら創作活動を続け、実業家と作曲家という二つの顔を完璧に両立させた稀有な存在でした。
1906年にはローマでエドワード・エルガーに、1908年から12年にかけてはベルンハルト・ツィーンに師事し、理論と対位法を深く学びました。初期はドイツ音楽の影響を受けていましたが、次第にフランスやロシアの音楽を吸収し、さらにはシカゴの「都会的ジャズ」を融合させた独自のスタイルを確立します。1920年代にはジャズとクラシックを融合させた先駆的なバレエ音楽『スカイスクレイパーズ(摩天楼)』などで、ストラヴィンスキーらに比肩する評価を得ました。
晩年は再びロマンティックでノスタルジックな作風へと回帰し、室内楽の名作を残しました。生涯を通じて、5つの名誉博士号やアメリカ芸術文学アカデミーの金メダルを授与されるなど、その功績は高く評価され、1951年4月26日にシカゴでその生涯を閉じました。
【本日のご紹介曲:ヴァイオリンソナタ】
1912年に作曲されたこのソナタ(1913年完成)は、カーペンターの室内楽における代表作の一つです。ドイツ的な形式美から脱却し、フレデリック・ディーリアスを彷彿とさせる叙情性や、色彩豊かな響きが特徴です。ノスタルジックな雰囲気から情熱的な盛り上がりまで、幅広い感情が描かれた隠れた名曲です。
【聴きどころ】
1)夢心地のオープニング(第1楽章 Larghetto)
穏やかなピアノの導入に続き、ヴァイオリンがディーリアスを思わせる思索的なテーマを奏でます。音楽がまるで宙に浮いているような、繊細で透明感のある響きを味わってください。
2)活気あふれるダンス(第2楽章 Allegro)
力強いダンスのリズムで始まりますが、その後に現れるヴァイオリンの物憂げなメロディが絶妙なコントラストを生んでいます。都会的な洗練と、少しの寂しさが同居した魅力があります。
3)神秘的な美しさ(第3楽章 Largo mistico)
「神秘的」という名にふさわしい、カーペンターの最も心に響くインスピレーションの一つです 。ヴァイオリンとピアノが詩的に絡み合い、エレジー(哀歌)のような調べが静かに胸を打ちます 。
4)民謡風の楽しさと感動の結末(第4楽章 Presto giocoso)
軽快なテンポで始まり、どこかアメリカの民謡を思わせる親しみやすいテーマが奏でられます 。最後は第1楽章のテーマが回想され、懐かしさに包まれながら情熱的なクライマックスを迎えます 。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリ)より(NML会員以外の方でも無料で試聴できます)
カーペンター、ジョン・オールデン:ヴァイオリンソナタ
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